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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻11号

1993年11月発行

今月の臨床 胎児環境をチェックする

胎盤

6.前置胎盤時の経腟分娩の限界

著者: 椋棒正昌1 羽田かおり1

所属機関: 1淀川キリスト教病院産婦人科

ページ範囲:P.1286 - P.1287

文献概要

 前置胎盤の頻度は,0.31)〜0.52)と言われているが,近年,産褥後の子宮内感染の低下,多産婦の減少,初産婦の割合の増加,人工中絶の減少などの理由により減少しつつある。当院で過去5年間に経験した前置胎盤症例は,表1に示すごとく,全分娩数8,212例中44例で,その頻度は0.5%であり,他院に比較して高い。それは当院が大阪府の産婦人科診療相互援助システム(OGCS)の基幹病院である性格上,前置胎盤症例が母体搬送されるためである。
 前置胎盤は,超音波検査の普及に伴い,妊娠早期から診断可能となり,かつてのように分娩時に大出血をしてから初めて診断がつくことは少なくなってきた。しかしながら,厚生省の統計によると,出血は高血圧・肺塞栓と並んでまだ妊婦死亡の三大原因の一つであり,厳重な分娩管理を必要とする合併症である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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