文献詳細
原著
母乳分泌に影響を及ぼす産科学的諸因子の検討
著者: 合阪幸三1 野島美知夫1 國保健太郎1 金田幸枝1 鳥谷葉子1 斉藤英樹1 都築浩雄1 為近慎司1 吉田浩介1
所属機関: 1賛育会病院産婦人科
ページ範囲:P.1363 - P.1369
文献概要
1)産褥初期の母乳分泌量は,その症例の1か月検診時の母乳哺育確立とよく相関した。2)経産婦のほうが初産婦より母乳分泌は良好であった。しかし母乳哺育確立に関してはほぼ同じで約50%に母乳栄養の確立がみられた,,3)分娩遷延,分娩時出血多量,鉗子分娩といった要因は,母乳分泌量,母乳哺育確立には悪影響を及ぼさなかった。4)帝切例では母児の接触が遅れるためか,入院中の母乳分泌最,1か月後の母乳確立とも経腟例に比べて有意に低下していた。5)乳房の形態は母泌分泌,母乳確立に影響を与えなかったが,扁平乳頭,非妊時の母体の肥満体型(初産婦)は母乳哺育が有意に確立しにくいことが明らかとなった。以上より,母乳分泌,母乳確立に影響を及ぼす因子が明らかとなった。
掲載誌情報