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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻12号

1993年12月発行

Current Research

成熟に伴う精子核機能の変化

著者: 星和彦1 柳田薫1 片寄治男1 矢沢浩之1

所属機関: 1福島県立医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1469 - P.1477

文献概要

緒言
 受精能を獲得(capacitation)し先体反応(acro—some reaction)を完了した精子は,尾部の強力な運動性(hyperactivation)を駆使して卵の周囲に存在する透明帯を通り抜け,卵細胞の表面に接着する。次第に両配偶子は融合を開始し,精子は完全に卵内に取り込まれる。第2成熟分裂の中期で排卵され生物学的に静止の状態にあった卵は,この瞬間から活動を再開し,精子の核と卵子の核は膨潤し次第に前核と呼ぼれる状態に発育する。両前核(雄性前核と雌性前核)は卵細胞の中央に移動し,やがて融合して2倍体の染色体をもつ新しい個体の核を形成し,受精が完了する。
 前核が形成されたというだけでは,正確には受精したとはいえないが,前核形成は精子もしくは卵子の発生能を示唆する受精過程前半の重要現象であることはまちがいない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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