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原著
文献概要
まず妊娠21週から39週の妊婦31例に対し,超音波断層法を用いて連続して3回ずつ計93回の胎児膀胱容量の計測を行い,3回の計測値の平均値(平均膀胱容量)と最大値と最小値の差(計測値の範囲)との関連について検討した。両者の間には良好な相関関係(r=0.912)が認められた。次に,妊娠32週から41週の正常胎児29例について,5分ごとに胎児膀胱容量を計測し,排尿周期と排尿率の関係について検討した。排尿周期は20分から90分の問に分布しており,排尿率が80%未満の不完全排尿から次の排尿までの周期(43分)に比べ,排尿率が80%以上の完全排尿から次の排尿までの周期(54分)は,有意に延長していた(P<0.05)。複数回の排尿周期を観察できた例では,同一症例における排尿時の膀胱容量,排尿周期,排尿率および時間尿産生率の計測値の範囲について検討した。いずれの因子も変動が大きく,胎児の蓄尿〜排尿現象の制御機構の複雑さが示唆された。
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