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今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ 広汎性子宮全摘出術
18.尿管瘻の防止対策
著者: 高村郁世1 針生秀樹1 西谷巌1
所属機関: 1岩手医科大学産婦人科
ページ範囲:P.188 - P.190
文献購入ページに移動従来から,尿管瘻の予防法として尿管を骨盤死腔から回避させ,骨盤壁への癒着による屈曲を避けるため尿管腹腔内露出法(遠藤),尿管腹膜包埋法(大川)などの報告がある。浸出物,異物,炎症など,骨盤死腔の悪い環境から尿管を隔離する意義は認められるにしても,二次的な要因と思われる。その他,副子尿管カテーテル挿入法,栄養血管の保護などが報告されている。尿管瘻の好発部位は,つねに尿管前部すなわち,子宮動脈との交叉部から膀胱進入部までの尿管が,膀胱子宮靱帯の前層,後層に包まれた部位にかぎられており,進行期がすすむほど,また,術者が未熟な経験者であればあるほど,多発することから尿管前部の浸潤,癒着などの条件と剥離技術の巧拙に大きな因果関係があることは確かである。
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