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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻3号

1993年03月発行

文献概要

今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針 フォローアップと予後

24.Residual ovary syndrome (ovarian remnant syndrome)

著者: 荻野雅弘1

所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.310 - P.311

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 成熟婦人における子宮摘除術後の残存卵巣機能は,保存卵巣が一側でも残されていれば,術後の血清LH,FSH,尿中estrogen値はいずれも同年齢の健常婦人のそれとほぼ同じ値を示し,卵巣機能の寿命は一般健常婦人と同等に維持される1)。したがって,成熟婦人の子宮摘出術を余儀なくされた場合には卵巣を温存することに努めるが,温存卵巣が腫瘤を形成したり,腫瘤が触知されなくても下腹部痛や性交痛が出現することがある。それらをresidual ovary syndromeまたはovarianremnant syndromeといい,その頻度は3〜5%前後と報告されている。本疾患の多くは骨盤内腫瘤,下腹部痛,腰痛,性交痛,排尿障害,消化器症状(便秘)などを主訴とし発見されるが,腫瘤があっても無症状のこともある2,3)(表1)。resi—dual ovary syndromcの発症時期は子宮全摘術施行後2年の内に発症することが多いが,なかには10年経過して発症することもある。今回われわれが経験した症例を提示し,診断,術前検査,取り扱い方について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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