icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻3号

1993年03月発行

文献概要

原著

生検診断による子宮頸部上皮内癌例の検討

著者: 宮川昇1 植田国昭1 村上章1 水谷勝美1 綾部琢哉1 大塚伊佐夫1 島袋剛二2

所属機関: 1都立駒込病院産婦人科 2東京医科歯科大学産婦人科

ページ範囲:P.315 - P.320

文献購入ページに移動
 1975年5月から1990年12月までの間に,外来生検により子宮頸部上皮内癌と診断された例は149例であった。円切施行84例では,19.0%が浸潤癌と診断され,生検診断が過小診断となった。その後子宮摘出術が追加された63例では,全例,円切診断が術後診断と一致した。円切の有無にかかわらず子宮摘出術施行128例では,20.3%が浸潤癌と診断され,生検診断が過小診断となり,円切の重要性が認められた。円切後子宮摘出施行63例では,断端陽性例,あるいは,間質浸潤の疑いのある上皮内癌例があったため,6.3%が過剰手術となった。円切未施行子宮摘出術施行65例では,4.6%が過小手術となった。腫大リンパ節生検,郭清術施行47例では,転移は認められなかった。治療円切21例では,2例が浸潤癌であったため放射線治療が追加された。149例の経過観察中であるが,再発は認められていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?