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薬の臨床
閉経婦人の骨粗鬆症におけるサケカルシトニンの薬効と骨代謝の評価
著者: 舟山幸1 角田新一1 井口登美子1 大野佳代子1 長主真理1 村井加奈子1 武田佳彦1
所属機関: 1東京女子医科大学産科婦人科
ページ範囲:P.329 - P.333
文献購入ページに移動対象は閉経5年以内の9人で,サケカルシトニンを1〜2週に1回,5〜201U筋注を6ヵ月間施行した。投与前後で臨床症状の改善度,第3腰椎のQCTによる骨量,生化学的検査(血中Ca, P, ALP, PTH, Osteocarcin,1,25(OH)2D3,尿中hydroxyprorin)を比較検討し,以下の結果を得た。
①投与後腰背部痛は軽減した。 ②骨量は7例/9例が増加または保持できた。 ③生化学的検査ではALPが減少し,PTHが増加した。ALPの減少は骨量増加率と負の相関を認め,治療経過観察の指標になりうることが示唆された。 まとめ:閉経後骨粗鬆症に対して更年期症状にも有効なホルモン補充療法(HRT)がよく用いられるが,HRTの禁忌や,患者が拒否する症例などがある。腰背痛を伴う骨粗鬆症に対してサケカルシトニンは有用であると思われた。
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