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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

今月の臨床 子宮外妊娠—up to date 診断のNew aspect

10.エコーによる子宮外妊娠部の確定診断はどこまで可能か—2.経腟法

著者: 吉田幸洋1 桑原慶紀1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.372 - P.374

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 近年,子宮外妊娠の診断は大きく様変わりした。これまでは,子宮外妊娠の診断は卵管破裂などの中絶による所見を,いかに見逃さずに早く診断し,ショックや輪血の必要性を未然に防止するかが重要とされてきたが,今日では,中絶前で卵管が障害される前に子宮外妊娠の診断が行われることもまれではなくなり,いかに卵管機能を温存し治療を行うかが問題とされるようになってきた。このように子宮外妊娠の早期診断・治療が可能となった理由としては,高感度hCG検出キットの普及や腹腔鏡検査・治療の進歩などが挙げられるが,なんといっても超音波経腟法が妊娠初期の診断に広く用いられるようになったことが一番の要因であろうと思われる。
 超音波経腟法は骨盤内臓器をきわめて高い解像度で描出可能であることに加え,産婦人科の基本的な診察法である双合診と検査のための条件が一致していることから,内診を行う際に併用して検査するのが最も便利であり,有効であることが認識され,婦人科領域や妊娠初期の患者の診察に際し,広く用いられるようになった。とくに,妊娠のきわめて早期から子宮内や付属器領域の観察が行えることのメリットは大きく,最近では妊娠が疑われたほとんどすべての患者に対し,ルーチン検査としてスクリーニング的に利用されている。その結果,子宮外妊娠をはじめ異常妊娠の多くが妊娠初期に発見されるようになった。本稿では,子宮外妊娠の早期診断における超音波経腟法の意義について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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