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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻4号

1993年04月発行

今月の臨床 子宮外妊娠—up to date

新しい治療法の試み

22.子宮外妊娠破裂時の救急対策

著者: 山本哲三1

所属機関: 1札幌東豊病院産婦人科

ページ範囲:P.405 - P.407

文献概要

 妊娠診断薬の進歩と,経腟プローブによる妊娠情報の収集が子宮外妊娠の早期診断を確実にした。われわれの所でも表1に示すごとく子宮外妊娠→破裂→ショックの経過を辿る典型例は年々少なくなってきている。しかし,子宮外妊娠破裂による急性循環不全状態に直面し,その対応に慌てることも皆無ではない。以下子宮外妊娠破裂時の当院で行われている救急対策を述べる。
 子宮外妊娠破裂の確診が得られたら,ショック指数(表2)に従って出血量の推定,手術の緊急性の程度のチェック,輸血の準備を行う。静脈路の確保は例外なく18Gのベニューラ針と輸血セットで行う。また,手術時を含めての出血量の予測は大変に難かしくできれば輸血の到着を待って開腹したほうがよいが,交通事情もあって当院では輸血を依頼して交叉試験を終了して使用可能となるまでに少なくとも2時間は要する。出血の進行が予測される場合は輸液のみで循環系を維持しながら手術を開始し止血を行うこともある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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