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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻4号

1993年04月発行

症例

妊娠後期に発症し高ナトリウム血症を伴った一過性尿崩症の1例

著者: 小武海成之1 山内潤1 伊藤仁彦1 西野るり子1 北井啓勝1 青木淳一1 金子宜淳1

所属機関: 1社会保険埼玉中央病院産婦人科

ページ範囲:P.433 - P.436

文献概要

 尿崩症を合併した妊娠は40,000〜80,000妊娠例に1例ときわめて少ない。われわれは最近,妊娠後期に発症し,著明な高ナトリウム血症を呈した一過性尿崩症の1例を経験した。
 患者は28歳,0妊0経の妊婦で,妊娠31週より著明な体重減少および口渇を認め,IUGRのため近医より紹介された。入院時,著明な脱水,高ナトリウム症(169mEq/l)を認めた。血漿浸透圧が高値であるにもかかわらず,尿浸透圧は低く,上昇しているはずのADHも低値であった。胎児にはIUGR,羊水過少が認められ,胎児仮死が出現したため,帝王切開を施行した。以後,輸液による治療を行ったところ,脱水症状ならびに高ナトリウム血症は改善した。術後,内分泌学的検索を行ったが,異常は認められなかった。
 以上により妊娠中に発症した一過性尿崩症と診断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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