icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻6号

1993年06月発行

今月の臨床 外陰の診かた

疾患のポイントと私の治療法

20.萎縮症

著者: 高橋克幸1

所属機関: 1国立仙台病院

ページ範囲:P.742 - P.744

文献概要

概念
 1976年,ISSVD (International Society for theStudy of Vulvar Disease)が外陰疾患の分類とその規準を決めるまでは(1986年にその一部を改訂),外陰疾患はいろいろな名称で呼ばれていた。その中で多用されたものに外陰白斑症(leukopla—kia vulvae)や萎縮症(kraurosis vulvae)がある。しかしながら両者は別個の病変ではなく,時期の違いにより異なる形態を示す同一疾患であり,癌化との関係から論ずるのがよいという考えに立つと,ISSVD分類は妥当な疾患分類である。これまでの萎縮症は,大部分外陰ジストロフィー(vul—var dystophies)の中の硬化性苔癬(lichen scler—osus)に当たる(表1)。
 現在臨床の現場では,萎縮症という呼称が一般的に用いられているが,将来は硬化性(萎縮性)苔癬か外陰ジストロフィーという名称に統一されるであろう。硬化性苔癬のカテゴリーには従来の外陰萎縮症,原発性萎縮症あるいは白斑症の萎縮期とされた病変の大部分が含まれる。硬化性苔癬は卵巣機能が低下した50歳以降が好発年齢で,平均年齢は約60歳といわれるが,成熟期や小児期にもみられる。外陰萎縮がひどくない例では無症状のことも少なくないが,主症状は掻痒ある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら