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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻7号

1993年07月発行

コラム HRTと他剤併用

HRTと漢方

著者: 小山嵩夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.806 - P.806

文献概要

 HRTと漢方はともに史年期障害の治療に,わが国においては頻用されているものである。しかし疾患に対するその考え方は大きく異なっており,おのおの単独で使用することもできるし,併用も可能である。ここでは日頃の自分の臨床において,どのような場合に併用をしているか,具体的に述べたい。
 更年期—閉経外来をはじめて受診される患者さんの場合,当科においては最初に簡略更年期指数,血液生化学,婦人科検診(腟部頸部細胞診),乳房検診,骨量測定などとともに食事,運動量のアンケート調査を行い,約1ヵ月後に分析結果に基づいて治療方針を決めている。本来であれば,結果が出てから治療を開始するのがよいわけであるが,更年期障害などの症状が強い場合は,患者さんが待てない場合も多く,時には漢方薬,エストリオール,またはその両者を併用して,1ヵ月間様子をみる場合がある。実際の処方としては加味逍遙散,加味帰脾湯,八味地黄丸などやエストリオール2mgを使用することが多い。漢方薬には全身の状態を改善し,その結果更年期症状を軽減させるといった概念があり,処方も患者さんの訴えと医師の判断により証を決めることができ,西洋医学のように検査結果に基づいているわけではないので,初診時からの投薬には適している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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