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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻7号

1993年07月発行

今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT

性ホルモンの作用効果

8.骨代謝作用

著者: 太田博明1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.823 - P.829

文献概要

 骨粗鬆症は自然現象である加齢をベースとし,それに種々の危険因子が複雑に組み合わさって発症する症候群であり,退行期疾患の一つとしても重要である。また疫学的には本症の罹患数は女性の方が,男性よりも6〜8倍多いといわれ,明らかに性差がある。これは女性が男性に比べ,元来,骨量が少ないことに加え,女性の誰もが迎える自然現象である閉経が本症発症の重大な危険因子となっているからである。閉経は卵巣機能の低下によるエストロゲンやプロゲステロンの低下を主体とした性ホルモンの変化を生ずるが,ことにエストロゲンの低下によって,骨・Ca代謝のバランスは負に傾き,骨代謝回転は高まり,骨吸収が骨形成よりも優位になることから,骨量が急激に減少する。また,Riggsら1)の仮説によれば,これらの女性ホルモンの低下は,その持続時間が長くなればなるほど,骨量不足を招くとされているが,事実,臨床的にも若年からの女性ホルモンの低下である卵巣機能不全や閉経前卵巣全摘出(卵摘)および早発閉経などでは同年代者に比して,骨量の低下が著しいことが把握されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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