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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻7号

1993年07月発行

今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT

HRTのプロトコール

13.エストロゲンパッチ(エストラジオール経皮吸収剤)

著者: 水上尚典1 玉田太朗1

所属機関: 1自治医科大学産婦人科

ページ範囲:P.840 - P.841

文献概要

 エストラジオール経口投与と経皮投与の違い1) 閉経前卵巣は1日およそ50〜500μgのエストラジオール(E2)を分泌しており卵巣静脈を介して大循環に入り各末梢標的臓器に達する。肝を通過する一部のE2は代謝を受け,抱合型となり排泄されたり,より女性ホルモンとしての活性の弱いエストロン(E1)に変換される。E2産生の多い閉経前にはE2/E1比は1.0以上である(E2産生の少ない月経期を除く)。閉経後卵巣はE2を産生しないが肝や脂肪織でE1(副腎由来のアンドロステンジオンがE1に変換される)がE2に変換され1日およそ5〜20μ9のE2が産生されている。そのため閉経後E2/E1比はつねに1.0未満である。
 経口投与されたE2は腸管で吸収された後,門脈に入り肝を通り代謝を受ける(first-pass effect)。このため投与量に比し,得られる血中E2濃度は低くE1は高いという現象が起こる。更年期症状を緩和するために要求される血中E2濃度は30〜40pg/mt以上であるがこの濃度を得るためにはおよそ500μg以上のE2が連日経口投与される必要がある。これは肝の仕事量を増し,非生理的高血中E1濃度が起こる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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