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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻7号

1993年07月発行

今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT

HRTの副作用

22.性器出血

著者: 小辻文和1

所属機関: 1福井医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.864 - P.865

文献概要

 近年のクオリティー・オブ・ライフの概念の台頭とともに更年期婦人に対するステロイドホルモン補充療法(HRT)が欧米を中心に広く試みられるようになった。この治療法の更年期不定愁訴,骨塩量減少,心血管異常に対する有効性に関してはすでに多くの成績が集積されているが,これに伴う不正性器出血は患者がこの治療を継続できなくなる最大の原因となっている。また治療を行う立場からは,子宮内膜の悪性変化が念頭をよぎるというまことに厄介な副作用でもある。
 HRTの基本はエストロゲンの補充であるが,エストロゲンの単独投与は子宮内膜癌発生のリスクを上昇させ不正性器出血の頻度をも高める。この防止の目的でプロゲストーゲンが加えられるようになったが,なお不正性器出血の問題は解決されておらず,エストロゲン・プロゲストーゲンの投与法に工夫が凝らされつつある現状である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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