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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻7号

1993年07月発行

Current Research

妊娠におけるIGF-Iの意義

著者: 岩下光利1

所属機関: 1東京女子医科大学母子総合医療センター

ページ範囲:P.885 - P.893

文献概要

 Insulin-like growth factor(IGF)はインシュリンファミリーに属する一群の成長因子の一つであり,それらのなかにはインシュリン,IGF,リラキシンなどが含まれる。IGFの名称の由来はそのインシュリン様作用に起因し,IGFにはIGF-IとIGF-IIというきわめて構造が類似した二つのポリペブチドが存在する1,2)。IGFは成長ホルモン(GH)依存性に血中に増加し,GHの生物学的作用を仲介することからソマトメジンとも呼ばれてきた。
 しかし,IGFの生物学的意義はこれらのものだけに留まらず,生体の種々の生理学的現象に深く関与している。ことにIGF-Iは卵巣3),子宮内膜/脱落膜4),子宮5)などの生殖臓器の生理や胎児・胎盤発育に重要な役割を営んでいることが近年の研究により明らかとなってきた。IGFの多彩な生物学的作用を理解する上で必ず考慮しなければならないのがIGFの結合蛋白(IGFBP)の存在である。IGFは血中などの体液中ではそのほとんどがIGFBPと結合しており,IGFBPはIGFと結合するだけでなくその作用を促進したり抑制したりすることが知られている6)。したがって,IGFの生理学的意義を理解するにはIGFBPの動態やその生物学的作用を解明することが必須である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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