icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻8号

1993年08月発行

症例

NACとしての動注療法が有効であった子宮頸部clear cell adenocarcinomaの1例

著者: 藤原葉一郎1 藤田誠司1 伊藤良治2

所属機関: 1国立舞鶴病院産婦人科 2京都第一赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.1019 - P.1022

文献概要

 子宮頸部dear cell adenocarcinoma, stage Ⅱbの患者に対してneoadjuvantchemotherapy (NAC)として多剤併用動注療法(CDDP 70mg, ADM 40mg, MMC20mg.5—FU 500mg)を2クール施行した。施行前に11, 809U/mlであったCA 19-9は有意な低下を示し,施行後の画像診断で腫瘍の縮小率は67.7%(MRI矢状断像)であった。この後広汎子宮全摘出術を施行したが病理診断にてリンパ節への転移を認めたために,術後CAP療法(CDDP 600mg, Epi-ADM 50mg, CPA 500mg)を2クール追加した後,現在外来観察中である。
 子宮頸癌で本来手術適応外であるⅢ期,Ⅳ期症例や,扁平上皮癌に比較して放射線感受性が乏しくコントロールが困難とされている頸部腺癌症例に対して,NACとしての動注療法を施行することは,down stagingによるcurative operationを可能にし,その予後を向上させ得る可能性が示唆され,子宮頸癌治療における有用な手段の一つであると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら