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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻9号

1993年09月発行

今月の臨床 治療にてこずる感染症

クラミジア

1.婦人科のクラミジア

著者: 笠松高弘1

所属機関: 1東京都老人医療センター

ページ範囲:P.1036 - P.1038

文献概要

 Chlamydia trachomatis(以下,クラミジアと記す)女性性器感染症は,現在最も多いSTD(sexuallytransmitted disease)の一つであり,わが国においても数年前から抗原および抗体検査が商業ベースでも可能となって,全国レベルで容易に検査できるようになるとともに知識も普及してきた。しかしその反面,症状の乏しさや有効な治療薬があることからクラミジアは抗生剤で簡単に治癒する単なるSTDであると軽視されてしまうこともあるように思う。逆に,クラミジア感染が直ちに流産や不妊に直結するかのように患者に過大な不安を与えてしまう場合もあるようであり,本疾患の病態はまだ未解明な部分が多い。
 その要因の一つとして,われわれ産婦人科医が,普段相手にしている細菌やウイルスとは異なるクラミジア独特の生物学的特徴に慣れていないことがある。元来,クラミジアはヒトを自然宿主とする偏性細胞寄生性の生物であり,古来より人間に災禍をもたらしてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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