文献詳細
今月の臨床 治療にてこずる感染症
C型肝炎
文献概要
非A非B型肝炎として取り上げられていた疾患群の大多数が,C型肝炎と診断されるようになり,肝炎の分類,診断,治療が著しく進歩してきた。とくに,インターフェロン治療でC型慢性肝炎の治癒例を期待することができるようになり,肝炎全体が一段と注目を集めている。B型肝炎ウイルス(HBV),C型肝炎ウイルス(HCV)感染は,ともに肝細胞を特異的増殖の場として増殖するウイルスであり,細胞性免疫機序,あるいはたとえウィルスの直接肝細胞障害性があったとしても,臨床症状としては,肝細胞破壊による症状,いわゆる食欲不振,全身倦怠感,黄疸,ひいては肝線維化,肝循環障害,機能不全による浮腫,腹水の出現,肝不全に至る症状は類似している。HCV,HBVのウイルス増殖,特異臓器反応が肝細胞に限られていることより,これらの点では非常に類似していると考えてよい。
しかし,HCVはRNAウイルスであり,HBVはDNAウイルスであることが根本的に異なり,これらのウイルス特異性により,感染性,感染の形態,ウイルス排除の機構,あるいは中和抗体の存否などにより,一時点の臨床症状を除くと,その全貌はまことに異なった形態を示している。
しかし,HCVはRNAウイルスであり,HBVはDNAウイルスであることが根本的に異なり,これらのウイルス特異性により,感染性,感染の形態,ウイルス排除の機構,あるいは中和抗体の存否などにより,一時点の臨床症状を除くと,その全貌はまことに異なった形態を示している。
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