文献詳細
今月の臨床 治療にてこずる感染症
C型肝炎
文献概要
1989年に米国カイロン社によりC型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子の一部が単離され,その遺伝子より蛋白を作り,この蛋白に対する抗体(C100—3抗体)系が開発され,それまで非A非B型肝炎とされていた多くがHCVによる肝障害と診断され,以後,C型肝炎に関する研究は急速に進展した。現在,より感度のよいcore領域に対する抗体を含む第二世代HCV抗体によりC型肝炎の診断はほぼ可能になったと考えてよい。一方,その感染経路は,血液を介する感染(輸血・血液製剤の投与,経静脈的薬物投与など)を除くと不明な点が多い。本稿では,C型肝炎の感染経路および診断について概説する。
掲載誌情報