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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻9号

1993年09月発行

今月の臨床 治療にてこずる感染症

難治性症例の経験

28.尖圭コンジローマ

著者: 田中圭1 深沢一雄 岩崎秀昭 稲葉憲之

所属機関: 1千葉大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1115 - P.1115

文献概要

 尖圭コンジローマは主として外性器に見られるウイルス性疣贅のうちで最も一般的なもので,HPV6型,11型の感染によるとされている。尖圭コンジローマの治療は大きく分けると薬物療法と外科的療法の2種類がある。薬物療法にはポドフィリン,5—FU,ブレオマイシン軟膏,IDU軟膏の局所療法が主体であるが,インターフェロンの局注も試みられている。また外科的療法は,切除,赤外線焼灼,電気焼灼,液体窒素やドライアイスによる凍結療法,YAGやCO2レーザー蒸散療法がある。また,特殊な治療法ではあるがワクチン投与などの免疫療法が難治性の本疾患に有効であるとの報告もある。難治性とは,病変が多発している,局所療法が困難な部位に存在する,治療に抵抗する,他の重篤な疾患と合併している,などが考えられる。
 1989年4月から1992年3月までの当科STD外来においてレーザー焼灼を行った尖圭コンジローマは28症例で26症例(92%)が治癒している。また部位別の治癒率では子宮頸部と外陰部両方に発生したものが67%の治癒率でやや劣っている。今回は外科的療法(YAGレーザー)が奏効した多発尖圭コンジローマの症例を呈示する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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