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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻9号

1993年09月発行

文献概要

今月の臨床 治療にてこずる感染症 難治性症例の経験

29.難治性腟真菌症

著者: 鈴木正明1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1116 - P.1117

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 産婦人科における真菌症は腟の真菌を中心として各種病態が形成され,回帰性を有する1)。真菌症の日常臨床においてたいせつなことは,本症が内因性日和見感染と性交感染という二面的性格をもっていることである。また,近年の傾向として主要な起因菌であるCandida albicans(C.alb)とCandida glabrata(C.gtab)の検出頻度が相対的に変化して,C.glabの増加傾向が認められ,このことが少なからず難治姓症例の増加に結びついていると思われる。
 難治性素因としては,宿主要因と菌側要因がある。宿主要因としては,最も重要なものが抗生物質の頻回の使用(抗生剤によりLactobacillusの減少が起こり真菌の腟上皮細胞への侵入を容易にする)であり,その他にコントロールされていない糖尿病,エストロゲンやステロイドの長期療法,AIDSおよび局所のアレルギーなどがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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