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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻9号

1993年09月発行

症例

妊娠性葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血の1例

著者: 後藤真千子1 伊藤誠1 石川洋1 千原啓1 宇田典弘1 保條朝郎1 高田亨2 近藤千華2 釜付弘志3

所属機関: 1聖霊病院産婦人科 2聖霊病院内科 3藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院産婦人科

ページ範囲:P.1135 - P.1139

文献概要

 本邦の妊娠貧血のほとんどは鉄欠乏性であり,葉酸欠乏性貧血はまれである。今回われわれは,元来大酒家で食事からの葉酸摂取不足に妊娠が加わり葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血と溶血をきたしたと思われる症例を経験したので報告する。症例は37歳の1経妊未産婦で,25週で妊娠と診断されるまで毎日3〜4合飲酒していた。初診時末梢血検査で大球性の高度貧血(Hb 5.6g/dl)を認めた。血清鉄正常,葉酸値低下,ハプトグロビン高度低下,LDH上昇を認め溶血の存在が示唆されたが,溶血性貧血のスクリーニング検査はすべて正常であり,溶血の主因は葉酸欠乏と考えられた。禁酒と病院食摂取および葉酸投与により貧血は改善し,39週5日吸引分娩にて2,690gの男児を出産した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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