文献詳細
今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
Overview
文献概要
日本でGnRHアゴニストの最初の臨床治験は1983年,子宮内膜症に対してで,1988年に臨床応用が可能となった.現在では子宮内膜症の他に前立腺癌,思春期早発症,子宮筋腫でも厚生省の認可が得られており,体外受精の際の卵巣刺激時にも広く用いられている.体外受精胚移植時にどの程度使用されているかは推測の域をでないが,世界で70%以上にGnRHアゴニストが併用されていると考えられている.さらに,最近では長期持続作用のあるdepot剤も開発されてきており,最近のGnRHアゴニスト療法の展開は著しいものがある.ここではGnRHアゴニスト療法の最近の展開と今後の展望について述べてみたい.
GnRHアゴニストにはいくつかの薬理作用があり,それによって治療効果を示す.①下垂体機能抑制を介しての性ホルモン産生抑制:性ホルモン依存性疾患である子宮内膜症,子宮筋腫,前立腺癌が対象疾患となるが,この他乳癌,子宮体癌にも試みられている.②下垂体抑制による律動的gonadotropin分泌抑制:思春期前早期よりGnRH律動分泌が開始する思春期早発症に対して,律動的gonadotropin分泌を抑制して早期の思春期発来を抑制し,骨端閉鎖を延期して成長を促進させる.
GnRHアゴニストにはいくつかの薬理作用があり,それによって治療効果を示す.①下垂体機能抑制を介しての性ホルモン産生抑制:性ホルモン依存性疾患である子宮内膜症,子宮筋腫,前立腺癌が対象疾患となるが,この他乳癌,子宮体癌にも試みられている.②下垂体抑制による律動的gonadotropin分泌抑制:思春期前早期よりGnRH律動分泌が開始する思春期早発症に対して,律動的gonadotropin分泌を抑制して早期の思春期発来を抑制し,骨端閉鎖を延期して成長を促進させる.
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