文献詳細
今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
Overview
2.卵巣癌の化学療法シスプラチン耐性の克服を目指したsecond line chemotherapyの動向について
著者: 薬師寺道明1 清塚康彦1
所属機関: 1久留米大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.14 - P.18
文献概要
卵巣悪性腫瘍の分野では,胚細胞腫瘍のように著しい成果が見られたものもあるが,癌の大部分を占める上皮性腫瘍では,ここ10年間に及ぶシスプラチン(CDDP)の臨床試査においても,一次奏効率の向上を見るのみである.しかし,婦人科癌の治療に従事する臨床医にとっては,たとえ進行期癌であっても癌化学療法は無意味でないというインパクトを得たことも事実である.すなわち,CDDPの登場が契機となり,卵巣癌の化学療法における薬剤の組み合わせ,投与法,副作用克服などに向けられた努力は,上皮性卵巣癌に対し,CAP療法をprimary chemotherapyとして位置づけることに成功した.しかし,その再発症例に対するsecond line agentsの選択は混迷を極める.
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