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今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる 薬物療法プラクティス
11.早産の薬物療法
著者: 千村哲朗1
所属機関: 1山形大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.46 - P.47
文献購入ページに移動 切迫早産の薬物療法は,過去35年間にわたって多くの試みが行われてきたが,子宮収縮抑制剤として目的を完全に満足させ,母体・胎児に対し安全な薬物は現在でも見当たらない.その最大の理由は,子宮収縮発来機構に関与する因子の多様性と,症状としての子宮収縮の抑制が原因療法ではなく対症的療法である点にある.近年,切迫早産の発生に対する感染の関与の問題が注目されるに至ったが,絨毛羊膜炎chorioamnionitis合併例に対するトコライシス単独療法の失敗率(73〜83.3%)の高い点は多くの報告から認められよう.
最近,β2刺激剤の切迫早産に対する効果の有効性と安全性に対し否定的な報告と,それに対する反論がみられる.また非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)のPG合成阻害作用(PGSI)が再注目され,indomethacinに関する報告が多くみられる一方,新しいトコライシスとしてoxytocin antag—Onistが開発されつつあるのが現状である.したがってここでは,β刺激剤とindomethacinの使い分けと胎児への影響について述べる.
最近,β2刺激剤の切迫早産に対する効果の有効性と安全性に対し否定的な報告と,それに対する反論がみられる.また非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)のPG合成阻害作用(PGSI)が再注目され,indomethacinに関する報告が多くみられる一方,新しいトコライシスとしてoxytocin antag—Onistが開発されつつあるのが現状である.したがってここでは,β刺激剤とindomethacinの使い分けと胎児への影響について述べる.
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