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文献概要
今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる 薬物療法プラクティス
14.MRSA感染症
著者: 松田静治1
所属機関: 1江東病院
ページ範囲:P.54 - P.56
文献購入ページに移動ブドウ球菌とMRSA
1960年代はペニシリン(PC)耐性ブドウ球菌対策が化学療法の大きなテーマであり,メチシリン(DMPPC)をはじめ耐性ブドウ球菌用のPCが次々と登場した.その後セフェム剤が多用されるに至り,ついでメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌(MRSA)も出現し,1980年代にはセフェム耐性ブドウ球菌が増加し,現在はMRSAはすべてのβ—ラクタム剤(ペニシリン,セフェム),多くのアミノ配糖体剤,マクロライド剤に耐性を示しつつある1,2).
産婦人科領域でのブドウ球菌全体の分離状況を各種疾患でみると,第三世代セフェム剤の登場以降分離頻度の増加がみられている.ブドウ球菌のなかで黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)の比較的分離されやすい疾患として,外性器感染症,創感染,産褥乳腺炎,新生児感染症(皮膚化膿性疾患など)があり,次いで骨盤内感染症がある.しかし性器感染症全体でみるとメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染の機会は他科に比べると少ないともいえよう3).
1960年代はペニシリン(PC)耐性ブドウ球菌対策が化学療法の大きなテーマであり,メチシリン(DMPPC)をはじめ耐性ブドウ球菌用のPCが次々と登場した.その後セフェム剤が多用されるに至り,ついでメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌(MRSA)も出現し,1980年代にはセフェム耐性ブドウ球菌が増加し,現在はMRSAはすべてのβ—ラクタム剤(ペニシリン,セフェム),多くのアミノ配糖体剤,マクロライド剤に耐性を示しつつある1,2).
産婦人科領域でのブドウ球菌全体の分離状況を各種疾患でみると,第三世代セフェム剤の登場以降分離頻度の増加がみられている.ブドウ球菌のなかで黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)の比較的分離されやすい疾患として,外性器感染症,創感染,産褥乳腺炎,新生児感染症(皮膚化膿性疾患など)があり,次いで骨盤内感染症がある.しかし性器感染症全体でみるとメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染の機会は他科に比べると少ないともいえよう3).
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