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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻1号

1994年01月発行

症例

羊水穿刺による高位破水後に長期管理しえた自然分娩例について—新しい破水診断試薬(抗AFPモノクローナル抗体キット)の応用

著者: 岸田達朗1 山田秀人1 佐川正1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.117 - P.120

文献概要

 羊水鏡検査法を含む従来の破水の診断方法・手順で確診しえなかった場合,経腹的羊膜腔内色素注入法(PSP法)をわれわれは1981年以来行っており,その臨床的有用性をこれまでに報告してきた1,2),PSP法は破水の鑑別・確定のための診断法として有用であるが,検査対象は限定される,破水診断のための抗AFPモノクローナル抗体キットをわれわれは新たに開発し,その臨床的有用性を報告した3)
 妊娠15週6日に羊水穿刺施行後の破水と診断され,入院時のAFPキットは陽性であったが,経過観察中にAFPキットをくり返し行ったところ陰性となり,高位破水の卵膜自然修復(reseal)と考えられた症例を経験した.妊娠期間は37週まで延長され,感染徴候もなく,成熟児を娩出しえた.高位破水のresealについては,われわれの2症例についての報告4)以外に具体例についての報告が内外になく,本症例は,羊水穿刺後ではあるが3症例目と思われ,その臨床経過について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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