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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻10号

1994年10月発行

今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科

難治性不妊症

8.習慣流産—免疫学的流産を中心として

著者: 藤井知行1 武谷雄二1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1212 - P.1213

文献概要

習慣流産とは
 習慣流産は日本産科婦人科学会の定義により,連続して3回以上流産(妊娠22週未満に妊娠が中絶されること)をくり返すことと定義される.初回妊娠の流産率は約10%であるが,そのほとんどが胎児の染色体異常などの胎児側要因による流産であり,偶発的なものである.しかし,既往流産回数が3回を越えると次回妊娠の流産率が明らかに上昇し(表1),偶発的な流産の連続ということでは説明できないため,何らかの流産因子を有する者が存在すると考えられる.流産を3回以上連続している者の多くが,流産のハイリスク女性であると考えることは合理的である.
 習慣流産は自然流産だけを反復し,その他の妊娠を既往歴に有さない原発性習慣流産と,自然流産以外の妊娠,例えば,正常妊娠や人工流産を,反復する流産に先行して既往歴に有する続発性習慣流産とに分類される.東京大学産婦人科の症例では,約70%が前者に,30%が後者に属している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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