icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻10号

1994年10月発行

今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科

術後の難治性合併症

16.尿管腟瘻,膀胱腟瘻

著者: 村上信乃1 五十嵐辰男1

所属機関: 1旭中央病院泌尿器科

ページ範囲:P.1232 - P.1233

文献概要

 膀胱,尿管は女性内性器と解剖学的に密接な関係にあるため,腟との間に瘻孔を形成し尿が腟より漏れる膀胱腟瘻,尿管腟瘻は,その原因のほとんどが腹式子宮全摘などの婦人科手術とされている1).その他,分娩時の損傷や子宮頸癌に対する放射線治療,または悪性腫瘍の浸潤によって瘻孔を生ずるものなど,ほとんどが産婦人科疾患に合併して生ずる.
 したがって,婦人科手術の際は尿路系を損傷しないようにつねに留意する必要のあることはいうまでもない.術中のハッキリした損傷はその場でわかるので,直ちに修復すれば瘻孔となることは少ないが,剥離操作で知らないうちに尿路壁の一部を損傷すると,局部的な菲薄化が起こり,後に(ふつう2週間以内)その部が栄養障害による壊死に陥り,瘻孔を生ずるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら