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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻10号

1994年10月発行

文献概要

今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科 難治性感染症

26.反復性腟炎

著者: 久保田武美1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院産婦人科

ページ範囲:P.1260 - P.1261

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腟トリコモナス症
 腟トリコモナス症はTrichomonas vaginalisによる感染である.T.vaginalisは女性に腟炎,外陰炎を起こし,また女性の膀胱炎の原因となることもある.男性では尿道,膀胱,精嚢などに感染するが,多くは不顕性感染である.主として性交によって感染するので男女とも不顕性例でも治療が必要である.治療薬は表1のとおりであり,腟錠,経口錠がある.経口投与による全身投与薬剤の普及により,難治例は減少したが,次のような理由により反復する.
 1)局所治療のみを行ったとき:腟錠による局所治療を行った場合の一次治癒率は95%以上であるが30%の例でTrichomonasの腟内再出現をみる.これは局所投与では腟粘膜以外の部位にひそんでいるTrichomonasに対する効果がみられないためである.本症には経口剤の投与が最も優れているが,妊婦では胎児に対する安全性が確立されていないので局所投与がなされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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