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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻11号

1994年11月発行

今月の臨床 難治性合併症を診る—産科

感染症

25.細菌感染症

著者: 千村哲朗1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1384 - P.1386

文献概要

 産科領域における細菌感染症では,妊娠中(分娩時を含む)と産褥期に分類されるが(表1),これらの診断は比較的容易である.妊娠中の化学療法は,胎児への安全性が第一に要求され,妊娠初期(臨界期)の器官形成期では注意が必要である.また産褥期では母乳を介しての新生児への薬物移行が問題となるが,母体治療が優先する場合には授乳を中止するのが原則といえる.
 周産期感染症の起炎菌の性状からみれば,グラム陽性菌・陰性桿菌・嫌気性菌など多様性を示すが,難治性感染症としてはMRSA(Methicillin—resistant Staphylococcus aureus)と緑膿菌Pseudomonas aeruginosa,Pseudomonas cepaciaなどがあげられよう.感染経路からみると,妊娠中の下部性器細菌叢(細菌性腟症bacterialvaginosis)が問題であり,その上行感染形態による発生が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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