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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻11号

1994年11月発行

文献概要

症例

出生前に診断し得たOEIS complexの1例

著者: 松原圭一1 越智博1 井谷滋朗1 草薙康城1 矢野樹理1 山中研二1 北川博之1 松浦俊平1 宮内勝敏2 高橋広2 木村茂2

所属機関: 1愛媛大学医学部産婦人科 2愛媛大学医学部第二外科

ページ範囲:P.1417 - P.1420

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 OEIS complexは,200,000から400,000妊娠に1例発症すると言われているめずらしい疾患であり,複雑な奇形のため予後が非常に悪いと考えられてきた.しかし近年,出生前に診断し,生後早期に適切な治療を行うことにより,長期生存例も報告されている.今回われわれが経験した症例は,36歳,1回経妊0回経産.妊娠36週に胎児腹部腫瘤を指摘され当科を受診した.超音波断層法およびMRIを用いて臍帯ヘルニア・腰部髄膜瘤・総排泄管遺残を診断し,OEIS complexを強く疑った.妊娠37週5日,腹式帝王切開術を行い,出生体重2,630g,アプガースコア4/6の男児を出産した.生後,臍帯ヘルニア・膀胱外反・鎖肛・総排泄管遺残・腰部髄膜瘤によってOEIS complexと診断された.腸管膀胱分離術・膀胱閉鎖術などの手術療法が行われたが,ヘルニア嚢への感染によって肝不全・DICを発症.生後120日目に死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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