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症例
卵巣甲状腺腫性カルチノイドの1例
著者: 今井俊彦1 盛合佳代1 葛西真由美1 飯田肇1 鈴木博1 高山和夫2 冨地信和2
所属機関: 1岩手県立中央病院産婦人科 2岩手県立中央病院病理科
ページ範囲:P.1425 - P.1428
文献購入ページに移動症例は74歳,術前検査では腫瘍マーカーに異常を認めず,CT, MRIで石灰化および充実性部分を含む多房性嚢腫を認めた.術中の肉眼所見では粘液を入れた嚢腫部分,黄色調の充実性部分および毛髪を含むteratoma部分を認めた.病理組織化学的には,粘液分泌性円柱上皮,石灰化を伴うder—moid部分,colloidを含む甲状腺組織およびtrabecular patternのcarcinoid部分から構成され,carcinoid細胞はGrimelius染色陽性,Fontana—Messon染色陰性,EGC陽性,NSE陽性であった.本腫瘍は,比較的予後は良好であり必ずしも後療法は必要としないが,再発例の報告もあり十分なfollow upが必要と考えられる.
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