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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻11号

1994年11月発行

文献概要

症例

卵巣甲状腺腫性カルチノイドの1例

著者: 今井俊彦1 盛合佳代1 葛西真由美1 飯田肇1 鈴木博1 高山和夫2 冨地信和2

所属機関: 1岩手県立中央病院産婦人科 2岩手県立中央病院病理科

ページ範囲:P.1425 - P.1428

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 卵巣のstrumal carcinoidはきわめてまれな腫瘍であり,dermoid cystなどに合併し偶然に発見されることが多い.今回,本腫瘍の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
 症例は74歳,術前検査では腫瘍マーカーに異常を認めず,CT, MRIで石灰化および充実性部分を含む多房性嚢腫を認めた.術中の肉眼所見では粘液を入れた嚢腫部分,黄色調の充実性部分および毛髪を含むteratoma部分を認めた.病理組織化学的には,粘液分泌性円柱上皮,石灰化を伴うder—moid部分,colloidを含む甲状腺組織およびtrabecular patternのcarcinoid部分から構成され,carcinoid細胞はGrimelius染色陽性,Fontana—Messon染色陰性,EGC陽性,NSE陽性であった.本腫瘍は,比較的予後は良好であり必ずしも後療法は必要としないが,再発例の報告もあり十分なfollow upが必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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