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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻12号

1994年12月発行

文献概要

今月の臨床 多胎—いま何が問題か 疫学

1.多胎妊娠の現状

著者: 佐藤章1 遠藤力1 北野原正高1

所属機関: 1福島県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1440 - P.1445

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 最近の不妊症に対するtechnologyの向上は,子供を出産することができなかった女性に対し,大なる福音になってきている.しかし,一方では,多胎妊娠の頻度が高くなっているのが現状である.多胎妊娠の頻度が高くなった原因は,最近の女性の結婚年齢が高齢化して来たため,30歳以上で妊娠する場合が多いこと,不妊症に対する排卵誘発剤の使用のためが主なる原因と考えられている.多胎妊娠は,母体にとっても,流早産,妊娠中毒症などの妊娠合併症の頻度が高くなることでかなりのリスクを負うのは無論のこと,児にとっても低出生体重や形態異常の頻度が高いこと,胎盤の数,位置などによる血液循環の異常による胎内死亡などの頻度が高くなり,いまや社会的にも問題になってきている.ここでは,多胎妊娠の現状につき世界および日本における状態と多胎妊娠の要因について記載する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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