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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻12号

1994年12月発行

症例

Metanephrogenic elementを有した卵巣未熟奇形腫の1例

著者: 高松潔1 木口一成1 金田佳史1 牧田和也1 伊藤高太郎1 久布白兼行1 倉持茂2 向井万起男2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科 2慶應義塾大学医学部病理

ページ範囲:P.1521 - P.1525

文献概要

 われわれは,metanephrogenic elementをもつまれな卵巣未熟奇形腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
 症例は,24歳,女性.小児頭大の左卵巣腫瘍.組織学的には,粘液産生の強い腺上皮から構成されたmucinous cystadenomaを思わせる管腔構造の間質に核異型と核分裂像を伴ったblastic cellが存在した.特徴的な所見として腎糸球体に類似したglomeruloid patternをもつmetanephrogenic ele—mentが認められた.これらの所見から本腫瘍は未熟奇形腫Grade1〜2と診断された.卵巣未熟奇形腫におけるmetanephrogenic elementはきわめてまれであり,本邦ではいまだ報告がなく,諸外国においてもNicholsonとNogalesの2報告を認めるのみである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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