文献詳細
症例
Metanephrogenic elementを有した卵巣未熟奇形腫の1例
著者: 高松潔1 木口一成1 金田佳史1 牧田和也1 伊藤高太郎1 久布白兼行1 倉持茂2 向井万起男2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科 2慶應義塾大学医学部病理
ページ範囲:P.1521 - P.1525
文献概要
症例は,24歳,女性.小児頭大の左卵巣腫瘍.組織学的には,粘液産生の強い腺上皮から構成されたmucinous cystadenomaを思わせる管腔構造の間質に核異型と核分裂像を伴ったblastic cellが存在した.特徴的な所見として腎糸球体に類似したglomeruloid patternをもつmetanephrogenic ele—mentが認められた.これらの所見から本腫瘍は未熟奇形腫Grade1〜2と診断された.卵巣未熟奇形腫におけるmetanephrogenic elementはきわめてまれであり,本邦ではいまだ報告がなく,諸外国においてもNicholsonとNogalesの2報告を認めるのみである.
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