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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻2号

1994年02月発行

文献概要

今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか ARTの実際

12.胚移植のタイミング

著者: 小田高久1 郡山智1 吉田丈児1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院産婦人科

ページ範囲:P.164 - P.165

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 体外受精・胚移植(in vitro fertilization andembryo transfer, IVF-ET)の成績はいまだ満足できるものとは言えない.それは高い採卵率受精分割率に比し,胚移植後の着床率が低い点に起因している.自然の妊娠成立周期では,卵管膨大部で受精した受精卵は,細胞分裂をくり返し桑実胚となり,受精後約3日(排卵後72〜96時間1))で子宮腔内に達する.受精後6〜7日には胞胚となり子宮内膜の緻密層内に侵入する.こうして子宮壁との間に器質的な結合が成立した状態を着床という2).着床は胚と子宮内膜の相互作用を基本として成立するが,そこには多くの因子が関与している.
 本稿ではこれらの因子の検討により,胚移植の時期について考察したい.なおIVF-ETは経頸管的に胚を子宮腔内に移植するが,より生理的状態に近づけるため子宮鏡下あるいは腹腔鏡下に胚(受精卵)を卵管に移植する変法がある.後者の方法はいまだ一般的とは言えず,その評価が困難であるため,本稿では一般のIVF-ETに関して検討する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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