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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻2号

1994年02月発行

文献概要

CURRENT RESEARCH

血小板活性化因子と分娩発来・早産

著者: 楢原久司1

所属機関: 1大分医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.211 - P.218

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 PAFに興味を持ったのは,受精卵から早期に分泌される因子がPAFもしくはPAF様物質であり,それがearly pregnancy factorの産生に重要であることを知った時である.その頃はPAFがこれほど多くの生理作用を持つことも,その生合成・代謝についてもほとんど知らなかった.テキサス大学生化学・産科婦人科学教室のJohnston教授のもとに留学の機会が与えられたことは,PAFに対する視野を一気に広げることになった.
 Johnston教授は,生殖におけるPAFの役割を,「PAFは受精から分娩まで母子間のコミュニケーションのたいせつなメッセンジャーである」と捉えている.このことは,1990年のreviewの“αからωまで”という題名に端的に示されている.私はこの考え方のもとに指導を受け,やがて,それが私たちの共通の認識となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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