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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻3号

1994年03月発行

今月の臨床 IUGR診療

新しい胎児診療の試み

18.胎児採血と血液ガス分析

著者: 武山陽一1 岡村州博1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.309 - P.311

文献概要

胎児採血の必要性
 子宮内胎児発育遅延(IUGR)症例を管理するうえで最も重要なことは胎児のwell-beingを正確に評価し,胎外治療に切り替えるタイミングを決定することと思われる.しかし,現在行われている非侵襲的方法では不十分であることも多い.NSTによる胎児well-beingの評価は日常診療において最も普及し有用な方法であるが,とくに方針決定に苦慮する妊娠30週以前においてはreactive patternを示さないことも多く,well—beingの判断が困難である.また,non-reactiveであった場合でも胎児well-beingが良好である場合も多く,逆に長期間低酸素ストレスにさらされた胎児は再びreactive patternを示すことが知られている1).したがって,とくに慢性胎児ストレスの結果とも考えられるIUGRにおいてNSTの信憑性はさほど高くないと言える.パルスドップラーによる血流計測でも拡張期血流の途絶,逆流のある場合を除き評価は難しい.このような症例において,現時点で最も信頼できるデータが得られるのは,胎児採血による胎児血のガス分析であろう,

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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