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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻3号

1994年03月発行

薬の臨床

妊娠浮腫に対する柴苓湯の臨床的有用性

著者: 井浦俊彦1 桑原惣隆1 高林晴夫1 金子利朗1 吉田勝彦1 土用下麻美1 羽根淳治1 丹野治郎1 福間秀昭1

所属機関: 1金沢医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.355 - P.358

文献概要

 妊娠中毒症28症例で,浮腫を主徴とする例を対象とした.柴苓湯は1日9.0gを2週間以上投与した.対照群は,正常妊娠分娩を行った20例とした.①浮腫は,42.9%で,著明改善を示した.28症例中22例(78.6%)が有効であった.②妊婦体重増加は,投与群では36週0.23±0.06kg,37週0.21±0.05kgであったが,対照群では0.32±0.15kg, 0.38±0.12kgであり一投与群が有意に体重増加を抑制していた.③分娩前と産褥期の体重比較では投与群は68.12±2.58kg,産褥期62.02±2.76kgであり,減少は−6.10kg(8.95%)であった.対照群は−4.75kg(7.05%)にとどまり,投与群は速やかな体重減少が認められた.
 柴苓湯は,妊娠浮腫に対して十分な治療効果が期待できた.とくに妊娠後期での体重増加を抑え,産褥の浮腫の発生を予防する効果がみられた.母児に対して安全であること,重篤な副作用のないことが確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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