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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻4号

1994年04月発行

雑誌目次

今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル A.予診

1.問診票

著者: 武田佳彦 ,   安達知子

ページ範囲:P.374 - P.376

 問診は産婦人科にかかわらず,患者診察のスタートラインである.効率のよい問診を行うためには,医師にとっては簡潔で見やすく,患者にとっては書き込みやすい問診票が必要である.問診票はまた産婦人科を訪れる患者にとって,ことばに出しては羞恥心を刺激されるようなことも,記入するならば比較的容易であるといった利点ももつ.ここでは,当院の問診票を参考に,診療に便利な問診票を考えてみたい.

2.問診法(性器出血)

著者: 秋本晄久

ページ範囲:P.378 - P.381

性器出血の分類
 性器出血は,帯下,下腹痛,腫瘍,尿症状などと共に,産婦人科重大症状の一つである.また性器出血は,女性の一生を通じてみられ,産婦人科疾患の重要な部分を占めている.この性器出血を問診するにあたっては,やはり,性器出血をきたす疾患を系統的に頭に入れておく必要がある.性器出血の分類方法は,出血部位によるもの,出血原因別によるもの,出血の開始時期によるもの,出血症状によるものなど多岐にわたっている.これらのうち,理解しやすくよく用いられる分類は,①出血原因を生理的なものと病的なものとに大別し,それらの原因を外傷性,腫瘍性,炎症性,妊娠性などに分けて疾患を分類したものと(図1),②出血の総括的分類として,出血の原因を妊娠の有無によって大別し,次いで出血の部位別に分けて,それぞれの疾患を分類したものとである(図2).

3.帯下

著者: 奥山輝明

ページ範囲:P.382 - P.384

 帯下は腟,外陰,頸管および子宮腔などの女性性器官からの分泌物,漏出液,浸出液と細胞成分が生理的に,また病的に増加して外陰部を湿潤して自覚的に不快を感じ,さらに他覚的に量的質的な異常が認められるものをいう.しかし他覚的に病的帯下を認めても何ら訴えのないことや,他覚的に異常を認めなくても帯下感を訴えるなどの個人差が多い.また帯下には外陰,腟,子宮腟部と内性器に,さらに腟内容にも異常が認められない(pH 4.6〜5.0,ディーデルライン腟杆菌多数,腟上皮細胞によるマチュレーションインデックス正常)が,排卵時や性的興奮時および妊娠時などに生ずる生理的帯下と何らかの疾患により生ずる病的帯下がある.

4.疼痛

著者: 桑原惣隆

ページ範囲:P.385 - P.387

 予診は最初に患者に対面し患者のもつ主たる問題を収集分析する重要な過程である.
 産婦人科領域の疼痛,とくに下腹痛や腰痛は他科領域のものも含まれるので鑑別診断が必要である.疼痛を訴える患者は比較的多いが疼痛は感じ方に個人差が大きく,程度も本人しか判断できない問題があり,また,急激に発症して緊急処置を要するものもあるので予診をとるときに迅速な判断を必要とする場合もある.

5.腫瘤

著者: 又吉國雄

ページ範囲:P.388 - P.390

 産婦人科の外来患者を主訴別に分類すると,無月経と不正性器出血が最も多く,腫瘤自体を主訴とするものはけっして多くはない1)
 しかし子宮筋腫や卵巣嚢腫の精査を含めた下腹部腫瘤の診察は,帯下,挙児希望,下腹部痛,月経異常などとともに日常診療において大きな比重を占めており,その原因も多岐にわたっている.中には腹壁腫瘤や虫垂炎など,必ずしも婦人科疾患によらないものも認められるが,本稿では主に,婦人科領域における下腹部腫瘤について,その診察のすすめ方や診断に関する留意点を述べてみたい.

6.尿症状

著者: 三鴨廣繁 ,   伊藤邦彦 ,   玉舎輝彦

ページ範囲:P.392 - P.393

 尿症状についての予診をとる際にたいせつなことは,一般診断学の原則にしたがって,主訴を含む現病歴,既往歴,家族歴へとすすめることである1).そのうえ,尿症状にとどまらず,腎,泌尿器系の疾患を念頭にいれて予診をとることが肝要である.とくに,高血圧性脳症,重症尿毒症,尿閉,激しい腎結石の発作などの際には,応急処置が必要であるため,早期に予診をとる必要がある2)

B.初診

7.外診

著者: 黒島義男 ,   岩崎克彦

ページ範囲:P.394 - P.396

外診の目的と意義
 外診には,視診,触診,打診,聴診,計測診が含まれる.外来診療において,患者との接触の第一歩は,診察室に入った時の全身観察から始まる.体格や顔貌など,疾患の背景となる身体的特徴をつかむ.
 外診のチェックポイントとしては,表1に要約されている1).以下,この中で,婦人科領域で扱われやすい疾患や病態と結びつく所見についてまとめてみた.

8.内診

著者: 黒島義男 ,   岩崎克彦

ページ範囲:P.397 - P.399

内診の目的と意義
 内診には,腟内に手指を挿入してこれだけで触診を行う狭義の内診と,これにいま一方の手を腹壁上に置き,内外両手の間に内性器をはさんで触診を行う広義の内診とがあり,通常後者が一般的である.双合診,双手診,腟腹診などの呼称もある.
 内診は,婦人科医がマスターすべき最も基本的な手技の一つであり,これなくしては婦人科の診察は成り立たないと言っても過言ではあるまい.近年,画像診断が普及したためか,内診が軽視されがちであるが,このような傾向は言語道断である.内診から得られる情報は後述するように多岐にわたるが,正確な内診こそ正しい診断に結びつくことを強調したい.

9.直腸診

著者: 黒島義男 ,   岩崎克彦

ページ範囲:P.400 - P.401

直腸診の目的と意義
 婦人科領域で直腸診を行う場合は,ある程度対象が制限されており,それは,①内診が不可能な場合(小児,未婚女性,老女,腟欠損,腟閉鎖など)②子宮頸癌の浸潤程度 ③子宮頸癌加療後の再発の有無などである.
 直腸診より得られる情報は,一般の腟双合診における所見以外に,とくに,直腸壁,ダグラス窩,子宮後面,後部子宮旁結合織,腟旁結合織,骨盤壁などの状態であり,これらは,疾患によってはその予後を支配する重要な因子ともなる.

10.経腟超音波

著者: 竹内久彌 ,   佐藤隆之

ページ範囲:P.402 - P.403

経腟超音波の目的
 子宮,卵巣など骨盤腔内の婦人内性器とその周辺を超音波画像で描出し,読影による形態診断を行うことが目的である.最も近い診断法としては内診(双合診)が挙げられる.すなわち,内診で得られる形態診断情報を確認し,さらに内診では得難い形態情報をも求めようとするものである.実際,経腟超音波ならではの精細な超音波画像から多くの情報を得ることができる.

C.外来感染症

11.腟分泌物検査の実際

著者: 舘野政也

ページ範囲:P.404 - P.406

 帯下を主訴とする腟炎の中でカンジダおよびトリコモナス症は代表的な婦人科疾患としてあげられており,産婦人科外来患者の中で施設によっても異なるが,かなりの割合を占めているものと思われる.このように両疾患はありふれており,ことに腟トリコモナスは顕微鏡下で簡単に検出することができるし,腟カンジダにしても特有の帯下でさらに鏡検によっても診断はきわめて簡単である.したがって治療面においても特効薬的な腟錠や内服薬が数多く開発されており治療法もきわめて簡単である.しかし一方において治療することにより自覚症状はとれ,治癒したかにみえても,しばしば再発し,難治性であることもけっして少なくはない.今回トリコモナスおよびカンジダの検査の実際と題して著者が日常行っている検査,診断を中心に多少の文献的考察を加えて述べてみたいと思う.

12.細菌の感受性検査と薬剤の選択

著者: 松田静治

ページ範囲:P.408 - P.409

 感染症の臨床微生物診断には従来より検査材料(子宮内材料,頸管内材料,各種の膿汁,穿刺液,血液,尿など)からの起炎微生物の検索が行われている.検査材料からの微生物検査の手順を図1に示すが,感受性検査は分離された微生物,つまり推定起炎菌について実施する.

13.頸管腟内GBS検査

著者: 末原則幸

ページ範囲:P.410 - P.411

 B型溶血性連鎖球菌(group B Streptococcus,GBS)は腟内にしばしば存在する菌で,妊娠中には,時に,上行性感染し絨毛羊膜炎を起こし,前期破水(PROM)や早産,流産の原因となることがある.また分娩時には産道感染により新生児の敗血症,髄膜炎(early onset GBS sepsis)の起炎菌となり,児の予後に重大な影響を及ぼすことがある.この新生児のGBS感染症には産道感染のみならず胎内感染による敗血症,髄膜炎の報告もある.また産褥期には子宮内感染の起炎菌ともなり母児管理上重要な菌である.

14.MRSA検査

著者: 吉岡保 ,   尾崎宏治 ,   岩崎豊

ページ範囲:P.412 - P.414

 MRSAはmethicillin-resistant staphylococ—cus aureusメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略号である.メチシリンは黄色ブドウ球菌のペニシリン分解酵素(ペニシリナーゼ)で分解されないペニシリンで従来のペニシリン耐性黄色ブドウ球菌に例外なく有効であった.しかし今日,MRSAはメチシリンだけでなく,第一,第二,第三世代のセフェム系を含めてほとんどのβ—ラクタム薬に耐性を示し,院内感染の問題としてその予防と治療は社会的に大きな関心事になっている.S.aureusにはMRSAとMSSA(methicillin sensi—tive S.aureus)の2種類があり,MSSAはメチシリンに感受性を示す黄色ブドウ球菌である(図1).

15.リステリア感染症

著者: 篠崎百合子

ページ範囲:P.416 - P.417

 リステリア症はリステリア菌(Listeria mono—cytogenes)によって起こる感染症で,家畜,野生動物,ヒトに発生する.リステリア菌は,自然界に広く分布しており,多くの哺乳動物で不育症,死産,髄膜炎などを起こす弱毒菌である.ヒトのリステリア症は,妊婦や高齢者などの免疫力の低下状態の者に生じる.本菌による感染で圧倒的に多いのは髄膜炎で,その他に肺炎,敗血症などを起こす.また妊婦では子宮内で胎児への感染が起こると死産や早産,また新生児期の重篤な感染症を引き起こすことより母児感染症として注目され欧米では多数の報告がなされている.
 本邦においては1958年に山形県の小児髄膜炎,北海道の胎児敗血症性肉芽腫症からの本菌の分離が最初の報告である.1970年代より年々報告が増加しており1986年までに572例が報告されている.この572例中111例(19.4%)が周産期の症例であり,この111例のうち死亡例は40例(36%)と高い死亡率を示している1)

16.淋疾・梅毒・エイズ

著者: 淵勲

ページ範囲:P.418 - P.421

淋疾
 女性における淋疾の症状は下腹部における熱感,疼痛,膣,バルトリン腺からの膿性分泌物,あるいは排尿困難などが1週間以内にあらわれる.約半数は自覚症状が少ない.

17.クラミジア

著者: 髙畠弘

ページ範囲:P.422 - P.425

クラミジア科微生物の今日的な分類
 1984年版のBergy�s ManualにはクラミジアはRickettsia and Chlamydiaに一括され,1科1属2種,すなわちChlamydia trachomatisとC.psittaciに分類されている.その後1989年にGrayston, WangらによってC.pneumoniaeが,1992年には福士・平井によりC.pecorumが,これはウシ・ヒツジなどの反芻動物に腸管感染症を初め,関節炎,肺炎,脳炎などの多彩な疾患を惹起する病原微生物としてC.psittaciから新種として分立された.しかしいまだC.pecorumのヒトへの感染の報告例はない.現在クラミジアはこの4種からなる.

D.ウイルス感染症

18.Human Papilloma Virusと発癌

著者: 滝沢憲

ページ範囲:P.427 - P.428

発癌リスクからみたHuman Papil—loma Virus(HPV)の亜型分類
 HPVは小型の環状二本鎖DNAウイルスで,約8000塩基対を有する.一般に宿主,臓器そして組織特異性が強く,分化中の扁平上皮細胞でのみ増殖可能と言われている.
 1982年頃から,southern blot hybridization法により,子宮頸癌組織中からHPV-DNAが抽出された.そして,HPV-DNAのcloningにより塩基配列が明らかにされると,塩基対の構成が互いに50%以上異なる新型のHPVが相次いで報告されるようになった,HPVは,その亜型ごとに人体のさまざまな場所から好きな部位を選び,特異的な皮膚・粘膜の増殖性病変を発現することがわかった.現在までに66型の亜型が知られているが,そのうち20亜型が肛門・泌尿生殖器に感染し,増殖性,発癌性の面からlow risk, intermediate,high riskの3群に分類されている(表).low risk群の6,11型は尖圭コンジローマを発現するし,high risk群の16,18型は子宮頸癌や陰茎癌の原因ウイルスとして有名であり,他の亜型は,最近,子宮頸癌や外陰・腟病変から分離・同定されたものである.

19.外陰ヘルペス

著者: 関口勲 ,   鈴木光明 ,   佐藤郁夫

ページ範囲:P.431 - P.432

 外陰ヘルペスはherpes simplex virus(以下HSV)の感染により発症する疾患である.HSVには2つの亜型があり,これらは免疫学的にも臨床的にも区別される.性器ヘルペスのほとんどは2型ウイルスによるもので,性交により感染する.近年ではsexual transmitted diseaseの増加とともに発生率の上昇傾向が認められる.

20.風疹

著者: 中村英世

ページ範囲:P.434 - P.435

 いわゆる先天性風疹症候群(Congenital Rubel—la Syndrome:CRS)は,妊娠中の風疹ウイルス感染により児に心疾患,白内障,難聴などの先天異常を認めるもので,1941年オーストラリアの眼科医Greggにより初めて報告1)された.
 われわれ産婦人科医にとってCRS児の発生予防は重大関心事であり,このような意味からも風疹ウイルス抗体の検査は,外来における日常診療の一環として確立されるべきであると考えている.

21.TORCH症候群

著者: 舟木憲一

ページ範囲:P.436 - P.440

 TORCH症候群とはトキソプラズマ(To.toxo—plasma),風疹(R.rubella),サイトメガロウイルス(C.cytomegalovirus),単純ヘルペスウイルス(H.herpes simplex virus)による妊娠初期の母体感染によって妊婦には症状がないか,軽微にもかかわらず,胎児・新生児に重篤な合併症を来たす疾患をまとめたものである.いずれも妊娠中に診断することが容易なものばかりではなく,診断法の進歩や風疹のように予防接種の普及によって考え方が変化してきており,この際もう一度これらを見直す事は意味があると考えられる.
 ①本来は妊娠初期にルーチンの妊婦のスクリーニングが行われるべきものであるが,②妊婦に疑わしき症状のあった時疾患の鑑別診断と治療,③妊娠末期での対策,④さらに新生児で症状のある場合の鑑別診断と水平感染の危険性,⑤母体感染では産褥期の母乳の授乳を行ってよいかなどあるが,ここでは,①および②について,ヘルペスウイルス感染では主に③について述べ,④および⑤については他にゆずる.

E.腫瘍外来

22.細胞診—頸癌,体癌,卵管癌,卵巣癌

著者: 杉下匡

ページ範囲:P.442 - P.445

 婦人科腫瘍外来における必須の検査の一つに細胞診は欠かすことのできない検査法である.細胞診の優れた点は,つねに臓器と組織型を推定しうることである.しかしそのためには正しい細胞の採取法と塗抹法が必要条件であることも忘れてはならない.
 本項では頸癌,体癌,卵管癌,卵巣癌について記載するが,あくまで実施医家の診療指針に役だつことを目的とし,できるだけ実践に即した細胞診の診断基準とその所見を簡潔に述べるにとどめる.よって各臓器の特性を示す正常剥離細胞の基礎知識については,成書を十分に熟読されたい.

23.コルポスコピー(新分類の解説)

著者: 長谷川壽彦

ページ範囲:P.446 - P.448

 わが国で現在使用されているコルポスコピー所見分類は,1975年にグラーツ(オーストリア)で開催された第2回IFCPC(International Federa—tion for Cervical Pathology and Colposcopy)国際学会の場で採択された所見分類を,日本子宮頸部病理・コルポスコピー学会(現在の日本婦人科病理・コルポスコピー学会)が所見を一部追加し,所見解説と日本語訳を含めて本邦用にしたもので,日本産婦人科学会でもコルポスコピー所見分類として承認されている.1990年ローマ(イタリア)での第7回IFCPC国際学会で,コルポスコピーの進歩に見合った新しい所見分類が必要とのことで新所見分類が選択された.その所見分類を基に,日本婦人科病理・コルポスコピー学会で検討し本邦用に新コルポスコピー所見分類が完成した.
 今後新しい所見分類を用いるにあたって,旧所見分類からの切り替えを混乱なく行うためには,新旧所見分類の相違点を理解し対処しなくてはならない.そこで両所見分類の相違点を中心に新所見分類を解説する.

24.子宮鏡

著者: 高島英世

ページ範囲:P.450 - P.453

 子宮頸管と子宮腔にはそれぞれ良性または悪性腫瘍が発生する.しかしいずれも不可視領域なので,その観察には子宮鏡が必要である.本稿では主に腫瘍外来における子宮鏡検査について概説する.

25.腫瘍マーカー

著者: 関谷宗英

ページ範囲:P.454 - P.456

 腫瘍マーカーは狭い意味で腫瘍細胞が産生,分泌する(糖)蛋白で,患者の血液,尿などから検出されるので,癌の補助診断として有用である.しかしながら,①胎児および付属物,健康人,良性疾患,他の癌でも検出されることがある(感度,特異度の問題).②同じ臓器,組織型の癌でも産生,分泌に違いがある(生物学的多様性の問題)など診断に際し限界もある.したがって,現在癌のスクリーニング,早期発見で満足できる腫瘍マーカーは皆無といってよい.
 実地臨床では,①悪性,良性鑑別の補助診断 ②治療前陽性であれば,治療効果の判定(血中半減期に注意)と再発の診断に欠かせない検査であるので,それぞれの癌に対して最も感度,特異度の高い腫瘍マーカー(あるいは腫瘍マーカーの組み合わせ)を選択し,保険適用に準じて検査を行う.

E.腫瘍外来—診断と治療方針

26.子宮頸癌の診断と治療方針

著者: 竹村正

ページ範囲:P.457 - P.459

 図1は1961年から5年間の子宮癌登録委員会報告での子宮頸癌例数の期別百分率と,それから15年後の1976年から5年間の子宮癌登録委員会報告での子宮頸癌例数の期別百分率を対比したものである.これからでも明らかなように,相対的にⅠ期例数が増加し,これに反してII期以上の例数が減少している.このことは子宮頸癌による死亡数が減少していることにも関連していると思われる.近年子宮体癌の増加が注目されているものの,発生頻度における子宮頸癌との比は子宮体癌の多い地域でも3:7程度であって,日常診療においてはやはり子宮頸癌症例に遭遇する方が多い.一方,0期子宮頸癌並びに異形成症例の増加も最近報告されており,これらも含めると子宮頸癌とその関連病変は現在の婦人科外来検診において依然重要な地位を占めている.子宮頸癌検診についてはすでに細胞診,コルポ診—狙い生検のroutine workが確立していて本書でも別項で詳述されているので本項ではむしろ実地に即した点を中心として述べる.

27.子宮体癌

著者: 加来恒壽 ,   嘉村敏治

ページ範囲:P.460 - P.462

子宮体癌の診断
 子宮体癌に関する検査は,不正性器出血が自覚症状である患者が対象となる.とくに50歳以上,閉経後,未産婦,月経不規則の者に対しては内膜細胞診のみではなく積極的に組織診を行う.内膜細胞診については,当科ではエンドサイトを用いて内膜細胞を採取している.
 内膜組織診は内膜組織片の採取を子宮内膜の試験掻爬によって行う.使用するキューレットは,頸管を通過しうる最も大きなものを用いるのがよい1).当科では外来にて4方向(0時,3時,6時,および9時の方向)の掻爬を行っている.内膜組織診で癌と診断されたときには,頸部への病変の広がりを知るために頸管内膜の掻爬による組織診を行う.この際,同一切片中に癌と正常頸管腺とが共存していれば頸部への浸潤ありと診断する.一方,正常頸管腺が認められなければ,癌の浸潤なしとする1)

28.卵巣癌

著者: 薬師寺道明

ページ範囲:P.463 - P.465

卵巣癌の診断
 卵巣癌の診断を外来受診者を対象に行う場合にはきわめて慎重であらねばならない.
 その理由は,卵巣癌はSilent diseaseあるいはSilent killerと呼ばれるように初期の症状に乏しく,腫瘍形成があっても他の主訴で来院することもあるし,また卵巣が正常大でも癌の存在をまったく否定できないことも経験されるからである.

29.外陰癌

著者: 山辺徹

ページ範囲:P.466 - P.468

 外陰癌の頻度は,わが国では女性性器癌の1〜2%,また欧米では3〜5%とする報告が多い.組織学的には,ほとんどが扁平上皮癌で,腺癌はきわめて少ない.そのほか,浸潤性Paget病や悪性黒色腫などがみられる.とくに扁平上皮癌や悪性黒色腫は高齢者に多い.ある程度進行した癌では,肉眼的に診断が可能であるが,外陰上皮内腫瘍(VIN)や初期癌の多くは斑状ないし丘疹状病変としてみられ,他の良性病変との鑑別が重要である.

30.絨毛性疾患

著者: 金澤浩二 ,   佐久本薫

ページ範囲:P.469 - P.471

 絨毛性疾患の日本産科婦人科学会分類を表1に示した.ここでは,妊娠性絨毛性疾患,とくに胞状奇胎と妊娠性絨毛癌とに関して解説する.

31.子宮筋腫

著者: 植村次雄

ページ範囲:P.472 - P.473

 子宮筋腫は婦人科外来診療で遭遇する最も頻度の高い腫瘍である.従来より内診で診断されているが,最近の画像診断の進歩により,より正確な診断および鑑別診断が可能となってきている.

32.良性卵巣腫瘍

著者: 山下幸紀

ページ範囲:P.474 - P.476

 良性卵巣腫瘍の診断にあたって留意すべき点の第一は,腹部腫瘍が卵巣腫瘍であること,第二にはそれが良性であることを臨床的に確認することである.そのためにまず,良性卵巣腫瘍に分類されるものをつねに念頭においておかなくてはならない.
 現在日産婦では,卵巣腫瘍良性群として,嚢胞性:漿液性嚢胞腺腫,ムチン性嚢胞腺腫,類内膜嚢腫,類中腎嚢腫,類皮嚢胞腫,充実性:線維腫,線維筋腫,筋腫,Brenner型腫瘍,莢膜細胞腫,甲状腺腫,類副腎腫,門細胞腫を分類している.これらの臨床上の特長を把握しながら診断を進めていくことが重要である.

33.子宮内膜症

著者: 馬島秀泰

ページ範囲:P.477 - P.479

 子宮内膜症(以下内膜症)は近年増加の傾向にある.その理由として初潮(初経)の若年化と女性の社会進出による晩婚化そして少産化もあるが,さらにはわれわれ婦人科医の内膜症に対する認識の向上と検査法の進歩などの要因があげられる.
 内膜症とは,子宮の内膜および類似の組織が,本来の子宮内膜のある部位とは異なった場所で発育,増殖する疾患で,その場所によって子宮筋層内に発生する内性内膜症(子宮腺筋症)と,それ以外の部位に発生する外性内膜症とに大別されてきた.しかし臨床上問題となるのは外性内膜症で,子宮腺筋症とは病理組織学的には類似しているが,好発年齢,臨床症状およびホルモン感受性などに違いがあり,数年前から日産婦学会,子宮内膜症小委員会で,子宮内腔および体部筋層以外の骨盤内で増殖する,いわゆる外性内膜症を内膜症と定義されたので,それに準じて記述する.

F.内分泌・不妊

34.基礎体温の読み方

著者: 五十嵐正雄

ページ範囲:P.480 - P.482

 基礎体温は本人がまじめに測定していればかなり正確に卵巣機能ことにプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌状態を反映している.ただし読む段階で主観が多少入る可能性があり,また排卵がBBT上のいつ起こったかについて多少異論がある.しかし正常の排卵のある女性で月経周期の後半に高温相と呼ばれる微熱が出現するのは卵巣または胎盤から分泌されたprogesteroneが中枢神経系にある体温中枢を刺激した結果によることは内外の見解が一致している.一方,エストロゲン(卵胞ホルモン)に基礎体温下降作用があるという説も昔あったが現在は否定的である.

35.卵胞発育徴候のモニター

著者: 奥田喜代司 ,   奥田弘賢 ,   杉本修

ページ範囲:P.484 - P.486

 下垂体前葉から分泌されたFSHおよびLHが卵巣に働き,卵胞が発育する.この卵胞の発育に伴って,ステロイドホルモン(性ステロイド)の産生,分泌および卵の成熟が起こる.この卵胞発育徴候である性ステロイド分泌を臨床的に捉える方法として,血中,尿中のエストロゲンを直接に測定する方法やエストロゲン分泌の反映である頸管粘液検査などが臨床的に用いられてきた.
 一方,近年の超音波断層装置の発達,とくに経腟プローブを用いた超音波断層装置の発達および普及は産婦人科外来で診察時に,簡単に子宮や卵巣の画像情報が得られ,とくに卵胞径の経日的なモニターによって,卵胞発育を形態からも捉えられるようなった.また同時に子宮内膜の情報も得られるようになり,モニタリング法として欠かせないものとなっている.本項ではこれらモニタリング法の所見と卵胞発育徴候との関連性を述べてみたい.

36.子宮卵管造影法と読影

著者: 河上征治

ページ範囲:P.487 - P.489

子宮卵管造影の重要性
 子宮・卵管の内腔の器質的異常,その連続した疎通性の検討に子宮卵管造影(Hysterosalpingo—graphy:HSG)にまさる簡易な方法がいまだ出現していない.
 腹腔鏡と色素通水の組合せ,子宮鏡と卵管鏡の組合せ検査も行われているが,麻酔の必要性(一部入院)や費用の問題も含めると,HSGでスクリーニングし,第二次的に必要があれば腹腔鏡,卵管鏡の順となる.

37.無月経の検査診断手順

著者: 小辻文和

ページ範囲:P.490 - P.492

 月経発来には視床下部—下垂体—卵巣系の正常な作動と子宮と腟の正常な形成が必要であり,これらのいずれに異常が生じても無月経となる.外来で無月経症例に遭遇した場合にはその原因を正しく診断することは勿論,最小の費用と最短の時間で診断することを心がけなければならない.そのためには一定の手順を念頭におき検査を進めることが肝要である.本項では病因鑑別の手順を解説し具体的な検査スケジュールを紹介する.なお各検査法の実際は別項を参照されたい.

38.ホルモン測定値の読み方

著者: 平川舜

ページ範囲:P.494 - P.496

 不妊因子のうち排卵障害部位を,測定したホルモン基礎分泌値からどのように読み取るか,そのポイントを概説する.
 視床下部・下垂体・卵巣系の障害部位を診断するためには,血中ゴナドトロピン(LH, FSH),プロラクチン(PRL)および血中性ステロイドホルモン(エストラジオール,エストロン,プロゲステロン,テストステロン)の測定値が必要となる.

39.ホルモン負荷テストとその判定

著者: 田中昭一

ページ範囲:P.497 - P.499

 婦人科外来で行われるホルモン負荷テストにはLH-RHテスト,TRHテスト,premarinテスト,hCGテストなどがあるが,紙面の関係からLH—RHテスト,TRHテストの2つの負荷テストについてのみ述べたい.

40.多毛の診断

著者: 村瀬隆之 ,   森宏之

ページ範囲:P.500 - P.502

概要
 多毛症は,その本態が毛嚢の増生hyperplasiaではなく,軟毛の肥大hypertrophyあるいは硬毛化terminal transformationである.一般に非性毛の多毛症をhypertrichosis,女性にみられる男性型の多毛症をhirsutismとよんで両者の区別をする.また多毛症の判定には人種差,性差,家系差を考慮する必要がある.わが国でもアイヌに多毛が多いとされ,一般にコーカサス人は多毛であり,蒙古人やアメリカインデアンなどでは毛が少ないといわれている.
 また特発性多毛症は女性の皮膚にみられ,本来軟毛であるべき体毛が,硬毛になるものをいう.女性では通常陰毛,腋窩以外は軟毛であるが,その他の部位,顎,頬,前胸部,乳輪,前腕部,臍から恥丘にいたる中心線下腹部,背下部,殿部,肛門周囲,大腿,下腿などに硬毛を生じることがあり,これを多毛症と称する(Ferriman).

41.肥満・やせ(体重減少)と性機能異常

著者: 楠原浩二

ページ範囲:P.503 - P.507

肥満と性機能異常
 女性にとって年齢を問わず,自らのbody imageは日頃最も気になることの一つである.その中でとくに肥満は女性の最大の悩みの一つである.肥満は単にbody imageを悪くするのみならず,女性の性ホルモンの代謝異常を惹起し,排卵障害の原因ともなる点より産婦人科領域でも重要な徴候の1つである.そこで,以下肥満と性機能との関連などについて述べてみたい.

42.PCO症候群の診断

著者: 田辺清男

ページ範囲:P.508 - P.509

 多?胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn—drome,以下PCOSと略)は月経異常を呈する疾患の中では特異的な症状を示すものであり,当院へ月経異常を訴えて来院する患者の約1/4を占めるほどの比較的ポピュラーな疾患である.古くはStein-Leventhal症候群として知られた疾患であるが,彼らが報告したような典型的な男性化徴候を呈する症例は日本人ではまれで,現在は下記のような臨床症状,ホルモン値,並びに画像診断からPCOSを診断している.
 PCOSの原因は不明でいくつかの疾患群を含んでいる可能性がある.したがって治療にも特殊なものはない.未婚か既婚か,不妊かどうか,さらに年齢などによって,その疾患に合った治療法を選択するべきである.

43.高プロラクチン血症の原因の鑑別

著者: 東敬次郎

ページ範囲:P.510 - P.512

 無月経を主訴とする婦人の血中プロラクチン(PRL)濃度を測定してみると,その15〜20%に高PRL血症の存在することがわかっている.また本症では乳汁漏出や排卵障害が惹起されて,不妊となり女性の生殖機能が損なわれる.さらに本症のほぼ3分の1はプロラクチノーマが原因となっており,脳神経外科的に腫瘍摘除術が必要なマクロプロラクチノーマが婦人科医により発見される場合もまれではない.このような観点から,高PRL血症は婦人科外来で留意すべき内分泌疾患と言える.

44.原因不明不妊の精査

著者: 佐賀正彦

ページ範囲:P.513 - P.515

 原因不明不妊に対する対応における最近の動向を示す.その上でさらに精査追加か,積極的治療開始かの選択は各施設各自の判断と基準に託する.

45.不育症の原因の検査

著者: 神崎秀陽 ,   今井公俊 ,   森崇英

ページ範囲:P.516 - P.518

 不育症とは,妊娠能力が夫婦間にあっても妊娠期間を完遂できず,生児が得られない状態をいう.したがって,不育症に含まれるものとして,自然流産,早産,周産期における胎児死亡などがあるが,そのほとんどは流産(習慣流産)が占める.
 日本産科婦人科学会の定義によると,習慣流産とは連続3回以上の自然流産のくり返しをいう.これに対して,連続した2回の自然流産のくり返しは,反復流産と呼ばれている.しかし,統計によると,連続2回の自然流産の既往がある患者は,3回目の妊娠も自然流産に終わる可能性が高いとされ,臨床的には習慣流産患者と同じく検査,治療が進められることが多い.

46.染色体異常と不妊

著者: 上田克憲

ページ範囲:P.520 - P.521

 不妊の原因となる染色体異常症は無月経,精子形成障害,反復(習慣)流産などの病態を示すため,他稿の記述と一部重複すると思われるが,ここでは一般の不妊外来においてどのような患者に対して染色体検査を行うべきかという点を中心に述べる.

47.性器発育異常

著者: 川越慎之助 ,   金子尚仁

ページ範囲:P.522 - P.525

 性器発育異常を示すものでは性染色体異常に関連した先天性のものが多い.このような症例では腟および子宮腟部の有無,鼠径部および腹腔内腫瘤の有無,内性器および性腺の観察,あるいは性腺の生検などが診療のポイントとなる.また染色体分析や精巣決定因子(sex determining regionY(SRY))の検索,あるいはホルモン測定なども必要となる場合が多い.そこで本稿では外性器の性状および腟,子宮の有無などにより検査,診断を進めていく方法(図1)を紹介する.

48.男性不妊の診断

著者: 石川博通

ページ範囲:P.526 - P.527

 造精機能,精子輸送路の閉塞および精子機能障害因子の有無について検索する.

G.特殊外来

49.思春期外来

著者: 黒島淳子

ページ範囲:P.528 - P.530

 10〜17,18歳までの女子のさまざまな身体上の悩みについての診断,治療や相談にのってあげる外来である.しかし,中学,高校生は,まだ気恥ずかしく,また恐怖感などがあり,なかなか来院しないために,重症化してからの来院例もある.気軽に安心して受診できるような雰囲気づくりも必要である.

50.更年期外来

著者: 甲村弘子

ページ範囲:P.531 - P.533

 更年期とは閉経前後の数年間を指し,1年以上無月経が続けば閉経と診断される.閉経年齢は40歳後半から55歳くらいまでの間で,平均50歳くらいである.更年期障害とは,「その時期に自覚される症状のうち,器質的疾患の裏づけに乏しい不定愁訴を主体とする症候群である.」と解されている.
 更年期にあたる年代では,女性を取り巻く家庭的,社会的環境が大きく変化する.またそうした変化に対する個人の受けとめ方や性格などによって症状のあらわれ方が左右される.このような環境因子,心理的因子が卵巣機能の低下による身体的因子と相まって更年期の症状を増幅する.

51.中高年健康外来

著者: 奥田博之

ページ範囲:P.534 - P.536

 出産の年齢を過ぎ中高年へ移行するにつれて,女性に特有の成人病の予防が課題となってくる.現在では,死因として悪性腫瘍が第一,次いで心血管系疾患が重要な位置を占めている.また,直接死因とはならないがquality of lifeという面からみて中高年特有の疾病も数多く生じてくる.とくに人生80年,女性にとって成人後の人生の半分が閉経後という時代となり,そのquality of lifeの向上に中高年期の健康管理は不可欠である.

52.漢方外来の現状

著者: 玉舎輝彦

ページ範囲:P.537 - P.539

 婦人科疾患の漢方概念は瘀血が重要な病態としての位置を占めている.
 婦人科領域で漢方を応用するにあたっては,以下の点について留意する必要がある.

H.患者への対応

53.ムンテラについての注意

著者: 宮川勇生

ページ範囲:P.540 - P.541

 「ムンテラ」という言葉は,日常の診療の場で,しばしば聞かれる医療用語である.語源は,ドイツ語のMund Therapieの発音の頭文字を取って作られた日本流の造語であると,入局当時に先輩医師から教えてもらった.先日,読んでいた小冊子には「医師のホンネ用語」のひとつとして「ムンテラ」が取り上げられ,「言葉での治療.言い換えると家族へ病状を説明すること.もっと言い換えて患者を適当に煙に巻くの意」と書かれていた.
 「ムンテラ」は,「患者やその家族に真実の病状を誠意を持ってよく説明し,その経過,治療法,結果に納得,同意してもらう」ことを意味し,広い意味でのインフォームド・コンセント(説明と同意,十分知らされた上での同意)であるが,なかでも,予後の悲観的な病気をもつ患者,またはその家族に,患者が生きる希望を失わないような病状の伝え方をして,納得,同意してもらうこと,すなわち,「ムンテラ」は「治療経過が思わしくない場合や,治療が難しい場合,また,予後不良の場合に,医療の限界を知ってもらい,患者のqual—ity of lifeを考慮した説明をして,納得,協力してもらう,さらに,治療経過や予後不良を嘆いている患者に希望を持つような説明をして精神面の会話による治療をする」という意味が強い.したがって,前述の小冊子に見られるような解釈は,少なくとも現在の医療において,許される表現,解釈ではない.

54.告知をめぐる問題点(悪性腫瘍)

著者: 河野一郎

ページ範囲:P.542 - P.544

 患者が医療を受けようとする時,自分の病状とそれに対して行われる医療行為についてより詳しく知りたいと思うのはきわめて当然のことである.外来において病名を告知され,それに関連して適切な説明をうけることはこれから医療に参加しようとしている患者にとっては入口にもあたる重要な出来事になる.しかし医師の側からみると外来での病名告知は,患者の性格や家族関係など生活背景が十分にわからないこともあってかなり制約を受けることになる.
 産婦人科領域では癌をはじめ,エイズなどSTD,染色体異常など告知に際して医学的のみならず社会的な配慮が要求される問題が多く,しかも疾患によってはその対応の仕方に相当の差ができてくる.そこで本稿では癌の告知に限って外来での問題点について記すことにする.

55.インフォームド・コンセント—不妊症(とくにIVF)

著者: 鈴木秋悦

ページ範囲:P.546 - P.547

 informed consentとは,もともと,米国における医事紛争の多発化が原因で生まれてきたと考えられているが,歴史的には,それ以前に,truth—telling(真実を語る)という言葉があり,それに対応して,個人が責任をもって意志の決定をする,すなわち,self-determinationが重要であるといわれてきた.
 したがって,truth-tellingとself-deternina—tionが,informed consentの前提条件であり1),結論的に言えば,informed consentとは,医師が患者を指導する際の,必須的な原則であり,医師側が,医療上の責任と使命を十分に認識していれば,とくに,この問題を取り上げる必要もないということになる.

56.インフォームド・コンセント—手術

著者: 安達知子

ページ範囲:P.548 - P.551

 従来から手術や特殊な検査の場合には,医師が患者から書面による同意を得ることはよく行われていた.しかし,これがかなり形式的なものになっていたことが指摘されている.日本では,元来患者の側に「すべて先生におまかせします」という傾向があり,また,医師の側にも「最善を尽くすから自分にまかせて欲しい」という考えがあった.これは,一面,医師と患者の信頼関係の上で好ましいように見えるが,一方,患者は診療を受けるに当たり,自分の不安や,わからないところを質問しづらい面を持ち,医師は患者の話に耳を傾け説明するという時間や機会を持たない習慣が身についていた.インフォームド・コンセント「説明と同意」ということばは,現在,診療の場で日常的なものとなってきているが,ここでもう一度,とくに婦人科手術に際してのインフォームド・コンセントの在り方について考えてみたい.

57.インフォームド・コンセント—遺伝疾患

著者: 鈴森薫

ページ範囲:P.552 - P.555

 目の当たりになんらかの障害をもって生まれた子供をみた直後の両親の動揺は計り知れず,医療サイドの説明のほとんど受け入れられないことが多い.現実を受容し障害を持った子供を守り育てていくように,何とか肯定的な気持ちを持ち,さらには次の子供の心配をするほど気持ちの余裕がでるまでにはかなりの期間を必要とすることも少なくない.
 インフォームド・コンセントでは,遺伝疾患についての正しい知識を,臨床遺伝学的基礎を踏まえて,いかに理解しやすく正確に家族に提供できるかが基本になる.

58.国際化時代の婦人科外来の診療

著者: 間壁さよ子

ページ範囲:P.556 - P.561

良いコミュニケーションと信頼関係
 外国人婦人科外来の診療に携わって10数年,その数は増加の一途を辿っている.57の外国大使館や商社が隣接する当院の土地柄ということもある.患者を国別にすると70数か国にものぼる.国によっては,英単語の使い方にも違いがある.そこで毎日の診療に必要な英会話を含め,当院で行っている対応策をまとめてみた.

59.紹介状,返信状の書き方,他科依頼のタイミング

著者: 安井敏之 ,   青野敏博

ページ範囲:P.562 - P.567

 患者を紹介するために紹介状を書き,また紹介を受けた病院は,それに対して返信状を送るといったこの一連の流れは,儀礼的なものと思われがちであるが,その診療所と病院,あるいは病院と病院との間のお互いの信頼関係がなければ成立しないものである.多くの場合,その両者の医師は面識もあり,十分に相手のことがわかっているので信頼して紹介したり,紹介されたりするわけであるが,しかし一部にはまったく面識のない場合もあり,名前だけは知っている場合もある.そのような場合,情報を適切に伝え信頼関係を築くためには,紹介状あるいは返信状に記されている内容のみがすべてとなる.そのため,紹介状あるいは返信状を書くにあたっては,相手に失礼のないように書かなくてはならないし,しかもその内容は必要なことを漏らさず,要領よくまとめることがたいせつである.要領よく簡潔にまとめられた内容が紹介先に送られれば,相手もその患者のことを十分に把握することができ,患者への対応がスムーズに行われるであろうし,患者も安心してその紹介先の病院で診療を受けることができる.

カラーグラフ 摘出標本の見方・10

子宮体癌(早期癌)

著者: 薬師寺道明 ,   藤吉啓造 ,   牛嶋公生 ,   田中博志 ,   蓮尾泰之 ,   杉山徹 ,   西田敬

ページ範囲:P.369 - P.371

 近年,子宮体癌は本邦でも増加傾向にあるが,内膜細胞診の精度の向上はもちろん,ヒステロスコープなどのME機器の応用による前癌病変や早期癌発見への期待が寄せられている.今回は,ヒステロファイバースコープを用い早期診断が可能となった子宮体癌症例を提示し,その摘出標本の特徴などに言及する.

原著

黄体性卵巣出血の保存的療法—116例の臨床的検討から

著者: 村尾寛 ,   金城国仁 ,   上村哲 ,   高橋慶行 ,   橋口幹夫 ,   稲福恭雄

ページ範囲:P.568 - P.572

 黄体性卵巣出血の治療法には,全例開腹止血する意見と,保存的療法を行う意見がある.当院では20年前より一貫して保存的療法を行ってきた.今回われわれは,保存的療法の再評価を目的として,①保存的療法が奏効せず開腹止血に至る割合について,②保存的療法後,腹腔内に残っだ血液による癒着形成の有無について,の2点の検討を行った.
 ①については,過去8年間に当院で保存的療法を行った103人の内,出血量の増大で開腹となったのは6人のみで,97人(94%)は保存的療法が成功した.そして②については,過去に黄体性卵巣出血に罹患した際,当院で保存的療法が行われ,今回別の疾患で開腹された患者8人を検討した所,癒着がある者は0人だった.しかし,以前同疾患に罹患した際,他の施設で開腹止血が行われた患者10人の中では,今回開腹時9人に癒着が見られた.以上の結果より,黄体性卵巣出血は保存的療法が有効であることが,改めて確認された.

Q&A

卵巣腫瘍における腫瘍マーカーの有用性—日・米対比

著者: 矢沢珪二郎

ページ範囲:P.573 - P.575

 Q 卵巣腫瘍における腫瘍マーカーの有用性をお教え下さい.日・米の考えを対比させて教えていただきたい(北海道KA生).
 A 日本:腫瘍マーカーとは狭い意味で腫瘍細胞自身が産生,分泌する蛋白で,単クローン性抗体を用いたイムノアッセイにより悪性腫瘍患者の血中で高値を示す.ところが,①胎児および付属物,とくに健常人,良性疾患でも高値を示すことがある(感度および特異度の問題),②同じ臓器,組織型の悪性腫瘍でも産生,分泌に多様性がみられる(生物学的多様性の問題),といった限界がある.

産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン

子宮体癌手術時の円靱帯,卵巣動静脈の処理

著者: 藤本征一郎 ,   櫻木範明

ページ範囲:P.576 - P.576

 子宮体癌(内膜癌)に対する治療の基本は手術治療である.教室では,1979年より子宮体癌の基本術式に総腸骨節を含めた骨盤リンパ節郭清を行い,1982年からは傍大動脈リンパ節の郭清を基本術式に加え,さらに1987年からは,傍大動脈リンパ節の郭清レベルを下腸間膜動脈よりも上方へ拡大し,腎門部までの郭清を行い,加えて体癌のリンパ行性転移経路である円靱帯・卵巣動静脈を周囲の脂肪組織を十分に含めて,それぞれの起始部まで切断摘出しているので,その術式の概略を紹介する.

婦人科手術における崎原式深部結紮器(泉工医科工業)の利用

著者: 大濱紘三

ページ範囲:P.577 - P.577

 通常の場合は糸の結紮は両手指を用いて行うが,結紮部位が非常に深部の場合には手指の挿入が困難であったり,また,術野が狭い場合には術者の手によって結紮部位の直視が妨げられることがある.このような場合,崎原式深部結紮器を用いると非常に便利である.崎原式結紮器は,国立呉病院崎原英夫名誉院長により肺門部血管の結紮を目的として考案され,外科領域では直腸癌,結腸癌などの骨盤深部での結紮操作や,比較的視野の浅い胃癌手術での血管の分離結紮に用いられている.また耳鼻科領域では扁桃腺の手術に利用されている.婦人科領域では,著者は主に広汎性手術における基靱帯深部の血管の分離結紮やリンパ節郭清の際の深部の結紮に用いている.また,筋腫分娩に対する頸管内や子宮腔内に存在する茎部の結紮も用いている.この場合まず消息子で茎部の位置や太さをチェックし,絹糸(0号)で茎部を2か所結紮するようにしている.結紮が適正に行われれば出血は直ちに激減し,3〜4日で子宮筋腫の変性が進み,7日目には容易に捻転切除することができる.その他,未妊婦の腟円蓋近くの腟壁裂傷の縫合に用いた経験があるが,常に直視下での操作が可能で,極めて容易に結紮することができた.

症例

胎児水頭症および脊髄髄膜瘤を伴ったVATER associationの1例

著者: 寺澤晃司 ,   吉田篤司 ,   長町典夫 ,   堀口英久 ,   中川義信

ページ範囲:P.581 - P.584

 胎児水頭症および脊髄髄膜瘤を伴った VATERassociationのまれな1例を経験したので報告する.患児は開放性脊髄髄膜瘤による水頭症が進行したため,妊娠33週時に帝王切開で出生した.生下時の単純X線写真で著明な脊椎側彎,胸椎椎体の蝶形様変形,多量の胃・腸管内ガス像,右無気肺が認められた.胃チューブの胃内への挿入不可能から食道閉鎖が疑われ,食道造影によりGross C型の食道気管瘻を伴う食道閉鎖が確認された.脊椎異常の合併と合わせてVATER associationと診断した.他臓器には合併奇形は認められず,染色体検査も正常であった.外科的治療を行い,対麻痺と直腸膀胱障害が認められているが経過は良好である.文献上,脊髄髄膜瘤を合併した VATERassociationの報告例は数例のみであった.

薬の臨床

更年期のうつ病の臨床像とスルピライドによる治療成績

著者: 後山尚久 ,   豊田勝弘 ,   杉本修

ページ範囲:P.585 - P.589

 大阪医科大学産科婦人科における特殊専門外来,婦人心療・更年期・閉経外来において治療したうつ病患者のうち,スルピライドを投与した100例の臨床像を解析し,その治療成績を検討した.100例の初診年齢は46〜50歳の層が最も多く,症状としては「全身倦怠感」,「のぼせ・ほてり」,「肩こり」などの身体症状が上位を占めた.SRQ-Dでは16点以上が60%みられ,失感情症的傾向の性格を63%が示した.
 スルピライドの投与により,75例(75%)が4週間以内に症状が改善し,著明な効果が得られた.副作用として,5例に乳房緊満感,3例に乳汁漏出がみられたが,薬剤中止には至らなかった.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

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今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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