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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻4号

1994年04月発行

今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル

D.ウイルス感染症

18.Human Papilloma Virusと発癌

著者: 滝沢憲1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.427 - P.428

文献概要

発癌リスクからみたHuman Papil—loma Virus(HPV)の亜型分類
 HPVは小型の環状二本鎖DNAウイルスで,約8000塩基対を有する.一般に宿主,臓器そして組織特異性が強く,分化中の扁平上皮細胞でのみ増殖可能と言われている.
 1982年頃から,southern blot hybridization法により,子宮頸癌組織中からHPV-DNAが抽出された.そして,HPV-DNAのcloningにより塩基配列が明らかにされると,塩基対の構成が互いに50%以上異なる新型のHPVが相次いで報告されるようになった,HPVは,その亜型ごとに人体のさまざまな場所から好きな部位を選び,特異的な皮膚・粘膜の増殖性病変を発現することがわかった.現在までに66型の亜型が知られているが,そのうち20亜型が肛門・泌尿生殖器に感染し,増殖性,発癌性の面からlow risk, intermediate,high riskの3群に分類されている(表).low risk群の6,11型は尖圭コンジローマを発現するし,high risk群の16,18型は子宮頸癌や陰茎癌の原因ウイルスとして有名であり,他の亜型は,最近,子宮頸癌や外陰・腟病変から分離・同定されたものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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