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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻4号

1994年04月発行

今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル

E.腫瘍外来

25.腫瘍マーカー

著者: 関谷宗英1

所属機関: 1千葉大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.454 - P.456

文献概要

 腫瘍マーカーは狭い意味で腫瘍細胞が産生,分泌する(糖)蛋白で,患者の血液,尿などから検出されるので,癌の補助診断として有用である.しかしながら,①胎児および付属物,健康人,良性疾患,他の癌でも検出されることがある(感度,特異度の問題).②同じ臓器,組織型の癌でも産生,分泌に違いがある(生物学的多様性の問題)など診断に際し限界もある.したがって,現在癌のスクリーニング,早期発見で満足できる腫瘍マーカーは皆無といってよい.
 実地臨床では,①悪性,良性鑑別の補助診断 ②治療前陽性であれば,治療効果の判定(血中半減期に注意)と再発の診断に欠かせない検査であるので,それぞれの癌に対して最も感度,特異度の高い腫瘍マーカー(あるいは腫瘍マーカーの組み合わせ)を選択し,保険適用に準じて検査を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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