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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻5号

1994年05月発行

文献概要

今月の臨床 骨盤位マニュアル ディベート 初産の骨盤位分娩:経腟VS帝切

21.経腟

著者: 永田新1 高島健1 小柳孝司2

所属機関: 1九州大学医学部婦人科産科 2九州大学附属病院周産母子センター

ページ範囲:P.662 - P.663

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 骨盤位分娩となった児の転帰が頭位のそれに比して不良であることから,その帝王切開率は上昇してきている.この現象は骨盤位における帝王切開分娩の選択が児の転帰を向上させるとの医学的もしくは社会的認識に起因するものである.しかしながら近年満期産にとどまらず早産においても,骨盤位分娩における帝王切開の適応が児の転帰の向上には寄与しないとの報告がなされている.このことは分娩方法によらない骨盤位自体が有する母児の危険因子の存在と,分娩方法を決定する際の基準のなさを示唆している.しかしながら現在の分娩による児への損傷が許されない医療情勢を鑑みれば,経腟分娩の際には児へのリスクの低い症例の選択および家族に対するリスクの説明と分娩方法への同意が必要である.
 ここでは経腟分娩の際のさまざまな医学的対応は他稿に譲り,いかなる症例に経腟分娩を選択すべきかに関して概説する.また初産か経産かは骨盤位の分娩方法の決定には関与しないと考え,言及を避けた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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