文献詳細
症例
妊娠22週にて急性膵炎,糖尿病性ケトアシドーシスを発症した1例
著者: 大口昭英1 谷村悟1 佐竹紳一郎1 小嶋康夫1 舟木寛1 金井浩明1 中野隆1 舘野政也1 臼田里香2 若栗宣人2 久保正2
所属機関: 1富山県立中央病院産婦人科 2富山県立中央病院内科
ページ範囲:P.667 - P.672
文献概要
症例は,妊娠20週までは尿糖,尿蛋白などは認めず,妊娠22週に悪心,嘔吐,心窩部痛,胸背部痛が出現し某医より当科へ紹介された.某医では胎児心拍を認めたが,当科での超音波検査の結果胎児心拍動は消失していた.入院時の緊急検査で,白血球数,血清アミラーゼ値,およびACCRの上昇を認め,急性膵炎と診断した.また,血液ガス分析で代謝性アシドーシスを認め,高血糖値,尿ケトン体強陽性であったことから,DKAと診断した.本症例のように妊娠中に急性に発症するDKAでは子宮内胎児死亡をきたすことが多く,産婦人科領域において念頭におくべき疾患と思われる.
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