文献詳細
今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー
子宮頸癌 治療
文献概要
子宮頸癌検診の普及と検診技術の向上に伴い子宮頸癌初期病変の頻度は増加しつつある.日産婦腫瘍委員会報告によれば,1989年の登録子宮頸癌患者数は5,851名に対し,上皮内癌1,852名(31.7%),Ia期946名(16.2%)で初期癌が約半数を占めるに至っている1).愛知県がんセンターでも同様で40〜50%が上皮内癌およびIa期例である.全国的には非登録患者数を考慮すればさらに多いものと推測される.一方,癌年齢の若年化,分娩の高齢化に伴い妊孕性温存治療の必要な症例も増加しつつあり,その対応が臨床上必要不可欠となってきている.このため子宮腟部円錐切除は子宮頸部初期浸潤癌,CIN病変に対し臨床進行期の確定診断(すなわち上皮内癌,Ia期癌,Ib“Occ”期癌のunderないしover treatmentを避け適切な治療法を決定施行する)のみならず,子宮温存療法としても施行される機会が増加してきている.実際,上皮内癌,Ia期の24%に治療的円錐切除が行われている(表1).また妊娠中に円錐切除を必要とする機会も増加しつつある.
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