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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻6号

1994年06月発行

今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー

卵巣癌 診断

22.腫瘍マーカー—卵巣癌スクリーニングや早期診断への応用の試み

著者: 塚﨑克己1 宇田川康博1 野澤志朗1

所属機関: 1慶應大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.774 - P.776

文献概要

 卵巣癌は,発生臓器が解剖学的に非直達的位置に存在し,しかも無症候性に進行するものが多いことから,臨床的悪性度や死亡率がきわめて高く,その早期診断法やスクリーニング法の開発が望まれている.
 卵巣癌の診断法としては,超音波断層法やCT・MRIなどの画像診断や腫瘍マーカーが有用であるが,卵巣癌の絶対数が10,000人に2〜3人と少ないことから,スクリーニングに画像診断を行うことは時間的,経済的にも大変であり,内診や腫瘍マーカーなどによる高危険群の絞り込みが早期癌の発見効率を向上させる上からも必要と思われる.しかしながら従来用いられてきた卵巣癌に対する腫瘍マーカーの測定法では,早期癌(I期)での陽性率が低く,しかも偽陽性などの問題もあり1),必ずしも早期診断法として適しているとは言えなかった.そこで本稿では,これらの問題点を考慮に入れ,腫瘍マーカーを卵巣癌のスクリーニングや早期診断に応用するために我々が試みているいくつかの工夫について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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