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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻7号

1994年07月発行

今月の臨床 ハイリスク妊娠—22週までの管理

内科的合併症

4.ウイルス肝炎

著者: 八橋弘1 矢野右人1

所属機関: 1国立長崎中央病院臨床研究部

ページ範囲:P.840 - P.842

文献概要

C型肝炎とは
 1989年,米国カイロン社が発表したHCV関連抗体系の測定結果により,従来非A非B型肝炎とされていたものの大多数がC型肝炎であることが,明らかとなった.C型肝炎の感染経路は,輸血などの血液を介して感染が成立するが,輸血以外の経路に関しては現時点では明らかでない.母子感染あるいは性交渉による感染はB型肝炎ほど頻度が高くなく,感染成立に要するウイルス量が血中でB型肝炎ウイルスほど多くないと考えられている.
 C型肝炎は,B型肝炎と異なり,どの時期に感染しても,容易に遷延化,慢性化する.C型慢性肝炎は,長期間,極軽度の炎症が持続し,十数年を経過した後次第に急速に活動性が強くなり,肝硬変さらに肝癌へと進展する.わが国の肝癌の半数以上はC型肝炎ウイルスに由来すると考えられている.B型慢性肝炎の一時的な激しい炎症とは異なり,緩徐な進行がC型肝炎の特徴であるが,長期的予後からみると,B型肝炎と比較して自然治癒することがきわめてまれな予後不良の疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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