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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻7号

1994年07月発行

今月の臨床 ハイリスク妊娠—22週までの管理

産科異常

17.習慣流産の検査と対策

著者: 藤井知行1 武谷雄二1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.870 - P.872

文献概要

習慣流産とは
 習慣流産は日本産科婦人科学会の定義により,連続して3回以上流産をくり返すことと定義される.
 習慣流産の原因
 習慣流産は,流産を連続するという症状から定義された症候群であり,いくつかの異なった疾患の集合である.したがって習慣流産の診療にあたってはまず最初にその原因を検索することがたいせつであり,次いでそれぞれの原因ごとに治療しなければならない(図).この中で後述する同種免疫反応異常による習慣流産は具体的にどのような機序によるのか解明されておらず,原因検索においては特別の検査がされないことが多い.このためこのタイプの習慣流産は原因不明の習慣流産に含まれることになる.東京大学産婦人科の臨床統計では,原因の中で原因不明の習慣流産が圧倒的多数を占め,次いでいわゆる抗リン脂質抗体症候群に代表される自己免疫異常が続いている(表1).こうしたことから,免疫異常による習慣流産の取り扱いが実際の診療にあたっては重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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